健やかに育て、小さい子たち。
最初に出た感想。
辛い、想像の余地は見てるだけの私にはない。
次に出た感想。
変なプライドと意地で避けてきた作品を鑑賞。やはり作り込まれた世界観に、作品に携わる人全員の熱意はそこに確かにあった。感動、なんて簡単な言葉で片付けるにはあまりにも恐れ多くて、ただ感嘆の声を上げるばかりだった。
それから、私はインターネットに長く触れてるだけあって、彼ら彼女らの行く末をはっきり知っている。誰が結婚するだとか、誰が命を落としてしまうだとか。断片的な記憶ではあるが、あのいがみ合っていた2人が和解する瞬間も。不安の解消は確かにある、しかしはっきりとあえて言うのならば…終わった物語、旅路にもう、続きは訪れない。
全員が幸せ(あくまでも私の頭に浮かんだ、結婚という幸せの形を意味している)な結末を用意されていることは、心のざわめきを落ち着けるのにちょうど良い。終わり良けばそれで良い、とは少し異なるが、いつ誰が死ぬかも分からない世界で平和と幸せを願うのは自然なことではないだろうか?
でも、それらに終焉が訪れて、彼らにとっての不安因子は取り除かれる。
それならば、必要以上にこちらが不安がる体力を持っていかれず済むから。
だが、生粋の腐女子でもあることがあの事実を拒んでいる理由でもある。
男のキャラクター同士を結びつけて、発想が足を軽やかに動かすように、私は自由に妄想がしたいのである。あったかもしれない世界線、思いもしなかった世界線、考えたことのない面白い世界線。創作というものの性質と良さを説明するには十分だろう。
既婚者。
その属性は私にとっては大きな鍵のついた扉のようなものであり、想像を容易く閉じ込めようとする。
だから、辛かった。
作品、たったの一作目。
彼らの未来が全て見えているからこそ、これから始まる悲劇と恋愛劇を私のひねくれた目に映すことになってしまう、と。
なあ、頼むよ
BLくらい自由にさせてくれ