騎士パロマシュレイ「どこ行きやがった!探せ!」
普段は静まり返っているこの森が、今夜はやけに騒がしい。動物たちもただならぬ様子になんだなんだと影から人間たちを見つめていた。
ここは白の国と○○の国の境に位置する森。
古くから何かと対立することが多かったふたつの国が、大きな争いをせずにいられたのはこの森の存在が大きかった。
ここは不可侵の森。争いなど起こしてはならない。
だからレインは油断していたのだ。
「はぁ……クソっ、!」
レインは己の足に刻まれた深い傷を見て苛立ちが隠せなかった。
遡ること数刻、レイン率いる少数の騎士たちは白の国の王であるライオの使いで○○の国へ向かっていた。あともう少しで到着するという時に奇襲にあったのだ。その数は少なく見積ってもこちらの倍以上。レインはなんとか部下たちを逃がそうとし、深手を負ってしまった。
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