絡む薔薇の頭冠『グレゴールへ。このメールを見たら連絡をしてほしい。ぜひ相談したいことがある』

　西部センク協会のフィクサーであるムルソーは自室のPCデスクの前に座り、長いこと躊躇った後でメールを送った。
　自室に一人きりだった。デスクに備え付けてある、己の姿を映し出している配信用のカメラは電源を落とされて黒いレンズを晒している。もう数日間、日課である配信を行なっていない。
　カメラの前に座った時の癖で、つい髪の毛に手をやる。手入れを怠ったことのない黒髪の感触。───そして、太い棘を伴う蔓が指先に触れた。

　ムルソーの目元からは、ボルドーの薔薇が一輪咲き誇っていた。花弁は一枚一枚が真っ赤に染まりきり、己を誇示するかのように毒々しい色となっている。眼窩から咲いた花を中心に、数本の太い蔓が這い出していた。

任性的指挥官“夜良好像生气了。”昼恶有个朦朦胧胧的念头，可是当他用这个问题去询问夜良的时候，只会得到一个相同的回复，夜良会笑眯眯地盯着他的眼睛说：“怎么会呢，无敌的指挥官想多了。”
虽然夜良的态度与平日里并没有什么不同，昼恶总是感觉哪里有些不对劲了，由于后背受伤的缘故，他被夜良禁止私自下床，所以现在他只能趴在床上，竖起耳朵听着房间外面的动静。厨具的碰撞声响较之以往来说有些大了，一枚鸡蛋似乎被用力敲击一下后才滚入锅中发出滋滋的响声，刀刃撞击在菜板上咚咚咚地连着床板好像也在振动，昼恶甚至在里面听出了一丝怪异的杀气，他悄悄地吞了吞口水，立起的耳朵慢慢放平与有些凌乱的头发贴在了一起，连尾巴根部的毛发也微微炸起不安地晃动了两下。