かあいい仔犬のしつけ方 とある昼下がり。
午前の授業が終わり、ガヤガヤと教室内が騒がしくなる時間帯。お昼ご飯を食べたり友人とお喋りをしたりと、各々が好きなように過ごす休憩時間での出来事だった。
ガタァンッ!と教室中に響くけたたましい音。音の原因は倒れた椅子のようであった。
椅子の傍には酷く不機嫌な顔をした杉下京太郎と、その顔を真正面から受け睨み返す桜遥の姿があった。
まさに一触即発、今にもお互いが掴みかかりそうな雰囲気を醸し出している。
「ヴヴ………………」
「何だ、テメェ。やんなら表出ろや」
低く唸る杉下に、目を見開き煽る桜。
このままではまずい、と思ったのであろう楡井秋彦が大声でストップをかける。
「ちょ、ちょっとちょっと!桜さん!杉下さん!何してんすか!」
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