無意識下の当然 国崩大火が明けて暫く経った。
国崩大火以後も桜と杉下を先駆けとして展開される一年一組の最大火力の戦法は度々用いられ、数を重ねる毎に共闘のスタイルが板についてきた二人は味方すら震え上がらせる程の脅威的な存在となっていた。
そんなある日のことである。
最近、街で度々問題を起こす不良チームがいるという通報を受けた多聞衆一年の面々は教室で作戦会議に臨んでいた。拠点は町外れの古びた倉庫軍の一角。比較的大規模なチームでその構成人数は概ねキールと同程度か少し多いくらい。かつては梶たちの助けを得て何とか制圧できたが、国崩大火という激戦を乗り越えた桜たちなら十分制圧可能な範囲といったところだ。
通常ならそのチームの拠点にいつもの戦法で乗り込んで粛清してしまえばいい、ということになるのだが今回は一つ少々厄介な点があった。
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