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    hariyama_jigoku

    DONEグラデカ小説。習作。.

     例の騒動の後、フルカネリは王都預かりの身となりデカラビアもアジトで監視付きの生活を余儀なくされていた。だが、過度に拘束されることはなく、ソロモンの意向で軟禁のような形になっている。
     その動機はどうであれ、行ったことは立派な反逆だ。グラシャラボラスはもう気にしていないものの、普通はそう簡単には切り替えられない。他のメギドが遠巻きにするのもしょうがないのだろう。
     だが、元々仲間内での交流は盛んではなかったデカラビアだ。不自由は苦にすれど、詰めるような言葉にも軽くいなすか黙殺するかのどちらかのようで、意には介してはいないようだった。むしろ、親しげに話しかけられることこそ迷惑そうな節がある。
    「よう、デカラビア。何読んでんだ?」
     そう声をかけた瞬間、デカラビアの眉間に皺が寄りじとりと鋭い視線が向けられた。この顔である。
    護衛の仕事の合間を縫ってアジトに訪れる度、 こうして構っているのだが反応は芳しくない。どうせ一人なのだからと昼食に誘ってみるが、その渋面は相変わらずだ。
    「別に何でもいいだろう」
     素っ気ない返事を他所に、机に積まれた本を覗き込む。暇を持て余したデカラビアが本を読 4172

    hariyama_jigoku

    DONEグラデカ小説。「毒でもいいから頂戴」.

     らしくもなく、若干の緊張に似た感情を伴ってデカラビアは扉の前で息を吐く。忌々しい労役と称したサンタとしての奉仕活動という辱めもとうに終わり、年も明けた。だが、冬の気配は一向に去る様子がない。
     廊下を漂う冷気に馴染んだ手で、少々乱暴に扉を叩く。まだ昼を過ぎて少し経った頃合いだったが、その日は一際寒い日だった。本日の労役として課された幻獣の討伐は、朝から駆り出されたにも関わらず早々に片がついた。帰還の際に、この部屋の主がいると聞いて訪ねてきたのだが姿をちゃんと見たわけではない。無駄足にならなければいいが、と手を擦り合わせた。
    すぐに扉が開かれて、中から少し驚いた様子の顔が覗く。
    「誰かと思ったらデカラビアか、珍しいなお前が用なんて」
     部屋の主であるグラシャラボラスがデカラビアの姿を見とめて、僅かに目を細めた。
    「まあ、中入るか?」
     元よりデカラビアも立ち話で済ませるつもりはなかった。あぁ、と浅く頷くと、中に通される。
    「ついさっき戻ってきたばっかりだからよ。廊下とあんま変わんねー寒さだけど、勘弁な」
     そう言って荷物から投げ寄越されたのは、薄手の毛布だ。余計なお世話だと跳ね 3269