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    深くんが過呼吸になる話。もう少しで完成しそうだけど、ちょっと勢いがなくなってきたからいったん投げる。過呼吸の描写難しい…。

    未定「はぁ、…っ……んぅ、…は、ぁ…」

    先刻まで尚哉の胎を埋めていた熱は無くなったというのに、いっそ苦しいほどに与えられた快感の余韻は未だ引かず、熱い吐息が溢れていく。

    横になったまま動けない自分を労わるように、一足先に軽く身形を整えた高槻が、嬉々として世話を焼き始める。全身を清める温かなタオルも、優しく触れてくる高槻の手も、全てが心地良い。毎回訪れる行為が終わった後のこの時間は、尚哉にとって少し気恥ずかしいけれど、確かに心が満たされる優しい時間だった。


    ───そう、満たされているはずなのに…



    尚哉の着替えを取る為に高槻がこちらに背を向けた瞬間、何故だか不意に寒くて堪らなくなって、胸に隙間風が吹き込むように、不安な気持ちが過っていく。ホロリと目尻から雫が落ちて、慌てて漏れそうになる声を唇を噛んで堪えた。

    「……っ、……ッ…」

    「──深町くん?!え、どうして泣いて…?あ、体辛い?無理させちゃったよね。ごめんね」

    様子のおかしい尚哉に気付き、慌てたようにこちらを覗き込んで言葉を重ねてくる高槻に碌に返事をする事もできない。涙腺が壊れてしまったのか、ぽろぽろと涙が溢れ落ち続ける。どうしてこんな事になっているのか、自分でも訳がわからなくて、一層不安がかき立てられた。

    「ふぅっ、…ッ…ひ、ふ、…、ぅ…っく…」

    「深町くん、どうしたの?僕が何かしちゃったのかな?」
    「ちがっ、ひ、…ぅ、先生のせいじゃ…っ…な…」
    「違うの?そっか…。じゃあ、どうして泣いてるのか教えてくれる?お話できそうかな?」
    「……わ、わかんない…っ」
    「ん?」
    「自分…ふっ、でも…なん、でなのか…っ…分かんなくて…」

    はっきりとした理由も言えずに、きっと高槻だって困っているはずなのに、涙は止まるどころか、ますます溢れてシーツを濡らすばかりだった。

    「うん。教えてくれてありがとう。」

    少し困ったように優しく微笑む高槻の顔を見ていられなくて、ぎゅっと硬く目を閉じて、中途半端に掛けられていた毛布を、自分と外を遮断するように頭から引っ被った。

    「あ、深町くん!」
    「ぅぅ、ふ………っく、……ひぅ、けほっ…」

    焦ったような高槻の声を無視して、じっと薄暗い毛布の中で息を殺す。相変わらず涙は止まらなくて、引き攣る声が漏れないように、手と毛布できつく口元を抑えた。息が詰まって苦しいけれど、これで自分の声は届かない筈だ。

    「──っ────ッ─」

    「……深町くん。ねぇ、顔が見たいな。お願い。心配なんだ。ね、せめて手を握っても良い?君に触れても良いかな?」

    どこまでも歪むことの無い優しい声が聞こえる。
    あれだけ満たされていた筈の身体が寒くてしょうがない。毛布の隙間からそっと手を差し出すと、自分の冷えた指先が温かな手に包まれて、心に湧き出した不安が少し拭われた様な気がした。

    「…っ…せんせい、ごめんなさい…」
    「謝らなくて良いんだよ。君は何も悪くないよ。大丈夫。僕はここに居るからね」

    優しい言葉と同時に、毛布越しに背中に手が当てられたのが理解る。高槻の大きな手から伝わるじんわりとした暖かさは、いつしか強張っていた身体をゆっくりと溶かす様だった。

    それでも涙は止まらない。気を抜けば嗚咽が溢れそうになって、ますますキツく口元を抑える。
    ただでさえ不規則に引き攣る呼吸が邪魔されて、苦しさが増していく。

    「…っ…けほっ……ひゅ、…ッ…く、…けほっ!」

    「深町くん、どうしたの?もしかして苦しいのかな…?ねぇ、毛布をとっちゃダメ?お願いだよ」

    息苦しさからでた咳を聞き咎めたのか、僅かに焦ったような高槻の声に応える余裕もなく、先刻までのものとは違う、苦しさから滲む涙が頬を伝っていく。

    「はぁ、…ひゅっ、けほっ、は…っ…」
    「──深町くんっ!」

    耐えきれなくなった高槻が、バサリと勢いよく毛布を剥ぐ。
    隠す物の無くなったベッドの上で、尚哉は胎児の様に体を小さく丸めて、口元を手が白くなるほどの力で抑えていた。

    「けほっ、……っ、ふ、ぅ……ヒュッ、んぅ…、ひっ…ぅ」

    「深町くん…。ほら、手を離せるかな?過呼吸になっちゃってるから、僕に合わせて息をしようね」

    たしかに呼吸はしている筈なのに、なぜか一向に苦しさが減らない。力の入っていた手も、高槻に優しく引き剥がされたので、もう呼吸を邪魔するものは無い筈なのに、息ができなくて恐怖で頭が真っ白になる。

    「げほっ、ひっ…いき、できな…っ…、せんせっ、ひゅっ…は、くるし、ぃ…ッ…」

    「そうだね、苦しいよね…。大丈夫。次、息を吸ったら10秒かけて吐いてごらん。できる?」

    高槻の声に反応する余裕は無いが、その声はちゃんと聞こえていた。息が苦しいのに吐かなければいけないのは大変だが、他ならぬ高槻が言うのであれば、それが正しいのだろう。

    「はー……っ、はー……っ、ふぅ、っ…ひゅ、…はぁ……っ」

    「うん、上手にできてるよ。良い子、ゆっくり吐いてね」

    穏やかな声と、ゆったりと背中をさする手に励まされながら、尚哉は徐々に正常な呼吸を取り戻していった。

    「…はぁ、……は、…ぁ…、…ふぅ…」
    「落ち着いた?もう大丈夫だよ。頑張ったね」

    もともと高槻との行為で疲れていたうえに、泣いて過呼吸を起こしたせいで、指一本動かせないほどに尚哉は疲弊していた。
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