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    ハイネ

    @haine3_

    支部の書きかけとかあげにくいものをあげるとこ。えっちなのからまとまらなすぎるものまで色々。

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    ハイネ

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    お嬢様フレミネ話別パターン。
    最初はリネットちゃんと双子コーデの予定だった。
    半端でおわる。

    #原神
    genshin
    #フレミネ
    #リネ
    #リネット
    #リネリネフレ
    #アルレッキーノ
    arlequino

    ロマリタイムフラワーお嬢様別ver(リネリネフレ)「こんにちは、おひとりかな?」
    「…!」
    「ああ、ごめんねいきなり。何か困っているように見えたから…もしかして、道に迷った?それとも探し物…かな?」
    「ぁ、えと…」

    アクアロードターミナル、噴水広場前。1人目線を彷徨わせながら落ち着きなくそわそわとしているとふと声をかけられた。振り向くと、見知らぬ年上の男性が立っている。歳の頃は2〜30代くらいだろうか、人好きしそうな笑顔に身なりの良い服装。頭の中で情報と照らし合わせみても特徴は一致しなくて、内心で、はあ、とため息をつく。

    「その、大丈夫、です…」
    「まあそう言わずに。紳士として、こんなに愛らしいお嬢さんが困っているなんて放っておけないよ。私の事を助けると思って、ね?」
    「あの、本当に…」

    手持ち無沙汰に指をもじもじとさせていたらさらりと手を取られて、さらに困ってしまう。どうしよう、一般の人に怪我させられないし…と悩んでいると、背後からまた別の声がかかる。

    「レミーネちゃん?」
    「あ…」
    「ん?君は…?」

    見れば、グレーがかったロングヘアをゆるく巻いて降ろした少女が立っていた。グリーンを基調とした膝丈くらいのワンピース。頭には同じくグリーンのボンネットにレインボーローズが咲いている。リボンやフリルがふんだんにきいた綺麗な服を身にまとった見るからにお嬢様といった風体の少女は、長い睫毛をぱちぱちとさせて、腕を組んでこちらのやり取りを見守っていた。

    「リ…リーネちゃん」
    「ええ」

    名前を呼ばれてにこり、と微笑んだ少女は、すぐ目の前の男性にも笑顔を向ける。ただしその目は全く笑っていなくて、目の前の男性とともに一瞬たじろいでしまった。

    「こんにちは、紳士的なお兄さん。その子の待ち合わせ相手は私なの。もう大丈夫だから、その手を離してどこかに行ってもらえるかしら」
    「…ああ、そうだったのか!いや、お嬢さんも大変に可愛らしい!どうだろう?2人とも、この後お茶にでも…」
    「…はあ」

    気圧されたはずの男性が挫けずに尚も言い募って、リネッ…リーネちゃんは大仰にため息をつく。すっと目を細めたその表情に、まずい、と思って、とっさに男性の手を振り払って、彼女の手をしっかりと握る。

    「あのっ!ぼ…わ、わたしはっ、リーネちゃんと2人で出かける約束なのでっ、これで失礼しますっ!」
    「あ、ちょっと、お嬢さん方!」

    手を伸ばして引き留めようとする男性に構わずに大急ぎで走り出す。ヒールのきいたショートブーツの踵を鳴らしながら街中を走って、ある程度離れたところで周囲を見回して人が居ないことを確認して、ふう、と息をついて足を止めた。…これで何回目だろう。全然上手くいかないな、と思っていると、背後からくすくすと楽しそうな笑い声が聞こえてきた。

    「もう…笑わないでよ…」
    「だって、レミーネちゃんたら、大胆なんだもの。私、ドキドキしちゃった」
    「あ、ご、ごめん…。って、もう、その呼び方やめてよリネット…!」
    「うふふ、ごめんなさいフレミネ。ああでも、これで何人目なのかしら。何にも知らずに可愛らしいお嬢さん、って声をかけてきた殿方は」

    急いで手を離すもその呼び方に、現状を思い出して、か、と頬が熱くなる。堪えきれずにだんだんと笑いを大きくしていくリネットに、うう、と声を漏らす。走った拍子にずれたボンネットを直そうとぼくの首元に手を伸ばすリネットに、このまま取り払ってくれたらいいのに、と思った。俯くと、目の前にはリネットとよく似たひらひらとフリルのきいたブルーのスカート。きちんと直された頭の上のボンネットには造花のロマリタイムフラワーが美しく咲き誇っている。
    …そう、ぼくとリネットはお揃いの服装をして…いわゆる双子コーデをした友人同士という体で任務に当たっていた。
    リネットは楽しそうにしているけど、ぼくは恥ずかしいし上手くいかないしでうんざりとした気になっていた。早く終わらせたい…と思って空を仰ぎながらここまでの経緯を思い出す。





    「僕は絶対に反対です!」

    部屋中に響き渡る大きな声。その声を発したリネは、自分の声量に一瞬はっとしたようだったけれど、あらためて語気を強めて発言する。

    「フレミネに潜入は向いてないと思います…しかも…女装だなんて。いくら相手が金髪碧眼の少女ばかりを狙うからといって、いささか安直かと。その点、僕は入れ替わりマジックをするから女装には慣れているし、潜入も得意です。髪色はウィッグを被ってしまえば問題ないでしょうし…」
    「そうは言うがな、リネ」

    やれやれ、といった口調で返すお父様。執務室に集められたぼくたち3人は、昨今起きている誘拐事件についての作戦を立てていた。その一案で…ぼくが女装をして敵のアジトに潜入し、囚われた少女たちを解放するというものが出たところで、前述のリネの発言につながる。…正直ぼくもそんな突拍子も無い案がお父様から出るとは思わなくて、困惑しきりではあるのだが。

    「相手側の拠点とされる場所は残された証拠から推察するに、海中洞窟か遺跡のいずれかの可能性が高い。今回は潜入し、拠点の場所を割り出すのみの予定だが…万が一すぐにでも少女たちを解放した方が良いという判断になる場合、後の脱出経路をその場で考えるのなら海中での動きが得意なフレミネの方が適任だろう…状況的にもフレミネを本作戦からはずすことは出来ない。これは決定事項だ」
    「で…でしたらせめて、僕も共に潜入をして…」
    「ふむ…だがお前では声を出した時にバレてしまうとも限らない。フレミネに何か起きた時でも無言を貫くことができるのか?」
    「…」
    「だろう。まあそんなに心配するのならばリネットにも潜入してもらおう。それでいいなリネ?」
    「はい、お父様」
    「…わ、かりました」

    がっくりと肩を落としながらもしぶしぶ納得するリネ。こんなにもお父様に言い募るなんて意外だけど…そんなにぼくのことが頼りないのかな。


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