「旅人、リネットを見なかった?」
それはメロピデ要塞での一悶着が終わり、ようやく通常運転に戻りつつある、ある日のことだった。
焦って汗を切らしたリネが午前の仕事を終えた旅人、空の元を訪れたのだ。
「リネットはおまえといつも一緒にいるだろ? オイラ達より詳しいと思うけど」隣を浮遊するパイモンがそう返す。
「いや、それが見当たらないんだよ。確かに近くにいたはずなのに目を離した隙に消えててさ」リネは困ったように溜息をつく。
「フレミネも知らないみたいなんだ。うーん、リネットのことだから問題ないとは思うけど心配だな」
空とパイモンはリネと一緒にリネットを探すことにした。フレミネはまた別の場所を探してくれているらしい。
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