「何者」なに‐もの【何者】
1 はっきりしない相手をさす語。だれ。何人 。
2 あらゆる人。いかなる人。何人 。
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きっと何者かになれるだろうと思っていたし、人はみなそういうふうに生きていく必要があるのだと思っていた。
水の中を歩いているのと同じだった。足は重い、視界は霞む、服が肌に張り付いて、水かさが顎まで来ているから、楽に呼吸もできない。母親に仕送りを送ることで保っていた自立心やある種の自尊心の類も、丁度牌王位戦で俺が起こした騒動と重なって、そのまま潰れて、小さくなって、あえなくちんけなものになってしまった。
たとえ嫌になろうがなんだろうが、投げやることもできない。生きていたくないわけじゃないから、それでも金は稼がなきゃいけないし、生活していかなければいけない。
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