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    kiirohitoKG

    @kiirohitoKG
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    kiirohitoKG

    PROGRESS投稿企画のサンプル的なもの
    一章?
    「ゆびきりげんまん、な」
     差し出された立てた小指。それを不思議そうに、首を傾げてガッシュが見つめている。
    「あれ……もしかして、ゆびきり、知らないか?」
     うなずく子供に、彼は故郷でどのように過ごしていたのだろう、と。清麿は思わずにはいられなかった。

     退院を祝ってくれた金色の子供に話したいことがある、と耳打ちをしたのは数時間前の朝のこと。数日ぶりに部屋に帰れば、放り出したままだった通学鞄はきちんと机の傍に掛けられ、破れて汚れた制服はシャツだけが新品をおろして繕われてたものがハンガーに吊るされていた。
    (お袋……)
     それをしてくれたであろう母親は、今は買い物に出かけている。
    「ははのひ?」
     そして、ガッシュに話したかったのはそのことだ。
    「次の日曜がさ、ちょうどその日なんだよ」
     去年の母の日はどうしただろう。小遣いでカーネーションの一本くらいは買ったような気もするが、あの頃のことはよく思い出せない。ちょうど、周りからの態度が変わり始めた頃。はじめて受けた『定期テスト』と言うものの結果の掲示に自分は『普通』とは違うと突きつけられて……記憶に蓋をして蓋をして、ずっと考えないように 2273