ブライト王国辺境地、聖石町。
女神デューラ像を中央に、穏やかな時が流れる長閑な町である。その安泰を守るべく駐在する騎士団詰所にて、保安官室をノックする軽い音が響いた。部屋の主であるホーガンが返事をすると現れたのは部下のヴァレン。
「将軍、またメイジ様からお便りだぜ」
「おお、そうか」
手渡されたのはシンプルな封筒。それまでの執務を中断し、早速とその封を切って内容を確認する。特に急ぎの要件と言うわけではないらしく、簡単な挨拶と近況報告が走り書きされているだけの感想なものだった。
「今はまたババリアの友人に招かれて、人助けをした帰りのようだな。こちらに戻るそうだ」
「はぁ、あのお方も懲りないねぇ。そう言う星の元に産まれておいでなのか…」
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