薫陽薫 吸血鬼パロこの後悔は永遠に消えないと思う。いつか分からない、ずっと先の死まで連れていくだろう。この人から世界を奪ってしまったことを。
太陽の光はどんよりした俺の心情なんて関係なく降り注ぐ。少し前までは浴びることなんてなかった光。その度に考えてる。あの時の選択は正しかったのか?……いや、正しくない。だって…
「ハルタ?」
「…お、わ!?」
背後からの声に肩が揺れるくらい驚く。慌てて振り返ると、彼、薫が荷物を抱えて立っていた。
『すみません、驚かせてしまって。何度も声、かけたんですが、気づきませんでした?」
「あ…ごめん、考え事してた。」
「そうでしたか。…ただいま、ハルタ。」
「うん、おかえり。カオ兄。」
笑うカオ兄を見て綺麗だな、と思う。藍色の髪が宝石みたいに輝いて。ずっとこのまま光の下にいてくれたらーー