敬虔な信者は愛を求める薄暗い部屋窓から入る光の中に四季は佇んでいた。部屋の窓は一つのみであり、四角く区切られた窓から入る光は薄暗く部屋を照らす。まるで雲の合間から見える天使の梯子の様に照らす光は、四季と目の前の男を歓迎する事が無いようで、目の前の男が四季の前に膝を着き縋り付く姿は、まるで神に祈りを捧げ懺悔する真摯な信者の様で、四季の前に膝を付き焦燥とした必死な声で呟く。
「……なんで…なんで君なんだ…君を好きになってしまったんだ…僕は誇り高き桃太郎なのに……」
「……なんでだろうな」
「……君だけしか居ないんだ…君が全てなんだ…だから君は殺さない。君は僕のものだ」
唾切が四季に膝を付き縋り付く姿は何処か弱々しく、そして四季には何故か美しく見えたのだ。
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