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    かいろ

    @rihrhak

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    かいろ

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    七海さん誕生日おめでとうございます!!!
    という事で虎杖君にサプライズしてもらいました。虎杖視点。
    ナナミンは人の誕生日覚えてても、自分の誕生日は祝われるまで忘れてそう。

    #七虎
    sevenTigers
    #七海建人生誕祭2021

    貴方とずっと明日はナナミンの誕生日である。
    明日の為に俺は先生や同輩達、いや、高専全員を巻き込んでサプライズを計画している。
    俺が学生の頃に告白して、最初は歳の差や性別でこの思いを尊敬と勘違いしていると断られたけれど諦めずにアタックして、紆余曲折ありながらもナナミンま俺の思いを受け止めてくれて晴れて恋人になった。
    俺が高専を卒業してからは一緒に暮らしており、システムキッチンのついた広めのこの部屋ですれ違う時もあるけれど、なんやかんや上手く生活している。
    ちなみに今年、俺の20歳の誕生日にはナナミンは腕時計をプレゼントしてくれた。大人っぽいそれに似合わないと言うと、似合うしあって当たり前に思えるようになる日が来るとも言ってくれた。
    そして俺が成人するまではダメだと言って我慢してた性行為も…いやこれは言いません。ナナミンめっちゃ優しかったとだけ言っとく。
    まあ何にせよだ!来るナナミンの誕生日、おれはナナミンに驚いて貰おうとサプライズを計画したのである!
    というのも、猪野さんからナナミンが最近色んな人から声をかけられて鬱陶しそうにしていると聞いたのだ。
    俺とナナミンが恋人なのを知っているのは、五条先生(卒業したけどつい先生って呼んじゃう)や家入さん、伊地知さんと、そして猪野さん。釘崎や伏黒、先輩達も勿論知っている。俺が散々相談したから。恋人に慣れた時は皆で大喜びした。
    話がそれたけど、ともかくそれ以外の人は知らない人の方が多い。ナナミンはかっこいい。大人オブ大人で、他者を尊重して行動できる。背も高く鍛えあげられた身体。しかも一級呪術師で高給取り。女性からしてみれば有料物件と言うやつだ。
    表向きには恋人がいないとなっているナナミンを手に入れようと声をかけられまくっているという。

    正直に言おう。嫉妬しました。

    ナナミンは俺のだ。ナナミンの表面しか見ない人達にナナミンを渡すつもりは無い。
    きっと俺に心配かけさすまいと秘密にしていたんだろうけど、この事を黙っていたナナミンにもちょっと怒った。
    …あと、ナナミンはきっと俺に逃げ道を用意している。やる事もやってるし、ナナミンから大事にされている、愛して貰っているとも感じている。ただ、ナナミンは俺がナナミンから離れられるようにもしている。
    なんだかんだいいつつ、ナナミンは俺との歳の差を未だに気にしている。まあひと回りは違うのだから当たり前とは思うんだけど、俺のこの気持ちを侮られているようで悔しい。
    だから、俺の気持ちを再認識してもらうのと、ナナミンにかけられる魔の手を祓うのと、お互いの逃げ道を潰す為の計画だ。
    ちなみに先生組は大爆笑しながら了承してくれた。先輩達は俺とナナミンに仕事が入らないよう手分けして任務を引き受けてくれている。猪野さんは高専所属の補助監督の人とか呪術師で人に声をかけると張り切っていた。
    ナナミンは今日まで出張で明日朝一で帰ってきて高専に報告書を出してから帰宅するらしい。そこが狙い目だ。
    ちなみにナナミンは自分の誕生日の事などすっかり忘れている。そんな話一言も無かったからね…。
    という訳で、伊地知さんにはナナミンが高専にきたら連絡してもらって、先生にはナナミンの足止めを頼んだ。
    釘崎や伏黒はこのサプライズの見届け人。

    帰宅してから食べる料理の下拵えも完璧。これは明日帰ってきてから最終調理をする。明日はスーツでビシッと決めて、花屋で予約した花を受け取って、高専にナナミンを迎えに行くんだ。
    ナナミンには勿論内緒。大勢の前で宣言するつもりだから後で怒られるかもしれんけどそんな事はどうでもいい…いやちょっと怖いけど。
    明日は万が一にも遅刻出来ないから今日は早めに寝よう。そう思い俺は早々にベッドに潜り込んだ。


    ___________



    そしてナナミンの誕生日当日。
    いつもより早くに起きて、部屋の掃除や外出準備をしていると伊地知さんから連絡が来た。今は先生が予定通り足止めしてくれているらしい。
    予定より早い到着に少し焦りながら俺も急いで髪をセットして、プレゼントを持って部屋を出た。途中でちゃんと花屋に寄るのを忘れず。予約していた花束を受け取る。50本の赤や白、ピンクの薔薇の花束。ほんとは999本にしたかったけど、流石に後の管理に困るから諦めた。

    そして、急ぎ足で向かっていた高専が見えてくる。グラウンドで先生がナナミンの肩を組んで絡んでいた。その近い距離に少しムッとしたが、足止め頼んだのは俺なんだから我慢。
    俺の姿に気づいて目を見開くナナミンに、俺は大声で叫んだ。

    「ナナミン……じゃなかった!七海建人さん!!」
    「虎杖君…?」

    固まるナナミンから先生が少し離れるのを見て、俺はナナミンに近づきつつ言葉を続ける。

    「誕生日おめでとうございます!俺と一緒にいてくれてありがとう!これからもずっと!一生一緒にいてください!」

    ばさ、とお辞儀をしながら薔薇の花束をナナミンに差し出す。
    まだ状況の掴めていないナナミンに先生からヤジが飛んだ。

    「おいおいおいおいおーい。悠仁がここまでしてんだからちゃんと答えてやれよ七海ぃー」
    「貴方は黙っていてください…!……いえ、そうですね。君にここまでさせておいて、私が覚悟を決めないなんて君に不誠実だ」

    そう言ってナナミンは花束を受け取ってくれた。そして体を起こした俺の左手を取り、薬指の根元に口を落とす。

    「ありがとうございます、虎杖君。では、わたしに君のここに、指輪を嵌める権利を私にくれますか」

    その言葉に顔が真っ赤になると同時に、涙腺が崩壊した。ボロボロと泣く俺の涙をナナミンは少し慌てた様子で拭ってくれた。

    「泣かないでください。私は君の泣き顔を見たい訳ではありません」
    「これは嬉し涙だから…ナナミン、おれに、指輪嵌めてくれる?」
    「ええ…。君を幸せにします。幸せになってくれますか」
    「それはこっちのセリフ!俺と、幸せになってください!」

    そうして抱きしめた途端、校舎中から歓声と拍手、クラッカーもかな?あと口笛も。…猪野さん話拡げすぎじゃない???

    「…早く帰りましょう。このままここにいてはまた五条さんに絡まれます」
    「あー、俺が足止め頼んでたから…ごめんなナナミン」
    「成程それで…いや、今はもういいでしょう。ここまで周りも焚き付けたんですから、お互い覚悟を決めましょう」
    「覚悟?俺は」
    「次回誰かしらに会う度に私との馴れ初めやら体験談やら何処が好きかやら聞かれる覚悟は?」
    「アッ」
    「まあそういう事ですよ。私は決めました。盛大に惚気けてやります」
    「ナナミサン」
    「とりあえず今は逃げますよ。今日は早く帰って君と2人きりになりたい」
    「ヒョェ…」
    「君の料理が楽しみで朝から何も食べてないんです。誕生日の事は忘れていましたが、これは家に帰っても期待していいんですよね」
    「もっ、もも、もち、ももち、勿論!下拵えまで終わってるから風呂入ってる間に出来るよ!!!」
    「それは楽しみだ」

    そして俺らは背後の歓声に押されるように家に帰った。



    ___________



    帰宅後、ナナミンが風呂に入っている間に料理を作ってテーブルに並べた。薔薇の花束は小分けにしてテーブルとか寝室に飾られている。
    今日は洋食中心だ。アヒージョとか、お酒に合いそうな料理と、お酒も色々準備した。
    風呂上がりのナナミンと一緒にテーブルについて料理を食べる。和やかに会話していると時間はすぐ過ぎていった。少し会話が途切れた時に、俺は渡しそびれていたもうひとつのプレゼントをナナミンに渡す。

    「ナナミン、これ」
    「これは?」
    「今日渡しそびれてたもう一個のやつ。花だけだとなんか物足りなくて、色々悩んでこれにしたんだ。これは他の皆に相談してないから渡すタイミングすっかり逃しちゃった」
    「成程。開けてみても?」
    「うん。中見て欲しい」

    慎重に開封するナナミンを見つめながら俺も少しドキドキした。気に入ってくれるかな。

    「これは…ネクタイと、ネクタイピンですか」
    「うん。ナナミン仕事はスーツでしょ?それなら使ってくれるかなって」

    色々見て回った中でしっくりしたというか…これだと思ったものがネクタイとそれと一緒にあったネクタイピンだったのだ。贈り物用にラッピングしてもらう時からドキドキしていた。

    「虎杖君、君は、相手に贈り物をする物に意味があるのは知っていますか?」
    「それって花だけじゃないの?」
    「ええ。君がくれた薔薇の花束に色や本数で意味が変わるのと同じく、相手に贈るプレゼントにも意味があるそうです」
    「そっか、知らなかった…薔薇のは釘崎が教えてくれて、調べたんだけどな」
    「今度調べて見てください」

    その言い方に少し気にはなったけれど、とりあえず食べ終わった食器をふたりで片付ける事にした。
    ある程度終わって、ナナミンからも促されて風呂に入る。少し念入りに身体も洗って、シャツを羽織って部屋に戻った。
    ソファで寛いでいるナナミンの後ろから抱え着いて項にキスをする。驚いたのか肩が揺れるナナミンに気にせず俺はキスを続けた。

    「虎杖君…後ろに回って何をするかと思えば…」
    「あ、やっぱり気づいてた?」
    「ここまでされるとは思ってませんでしたが。やめてください。止まれなくなる」
    「いいよ」
    「…」
    「止まらなくていい。……止めないで」

    そう言った途端、俺はナナミンにソファに縫い付けられていた。

    「…悠仁。私は君を大事にしたい。あまり煽らないでください」
    「俺だって、建人さんにめちゃくちゃにされたい時だってあるもん」

    俺を押さえつける手を取りその指にキスをする。ふしくれだった完全に男の手なのに、それがナナミンのものだと言うだけで愛おしい。

    「…建人さん。生まれてくれて、生きてくれて、俺と出会ってくれてありがとう。何度だって言うよ。俺と一生一緒にいて。俺を逃がさないで」
    「えぇ、勿論。君にその覚悟があるのなら」

    そうして深いキスを交わす。建人さんの熱い呼吸に呑まれそうになりながら建人さんの首に腕を回して抱きしめた。ここから先は俺と建人さんだけの秘密だ。
    ちょっとだけ言うならば、キスの後は寝室に直行したってことと、めっちゃ嬉しかったし激しかったってことぐらいです!ご想像におまかせ!

    そしてその日から、ナナミンに声をかける人はいなくなった代わりに色々周りから質問攻めにされているらしい。まあそれは俺もだけど。
    何にせよ、俺のナナミンサプライズ誕生日は大成功に終わったという事だ。



    あと、贈り物の意味も調べたんだけどその時にナナミンから贈ってもらった腕時計の事も書いてあって。思わずナナミンを抱きしめに言ったのは言うまでもない。
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