二回目爆豪勝己は目が見えない ――は?
爆豪勝己の内心は、その一言に尽きた。
あの日あの時、確かに爆豪は死んだ。無事雄英を卒業し、三年ほどで事務所も立ち上げ、大阪を拠点として活動する切島を引き抜いた。雄英時代から燻ったままの切島への想いをぶつけて見事恋人関係を結ぶことも出来た。恋仲の人間がやることはすべてやって来た。あとは活動を続けながら、時期が来たら切島の一生を縛りつけるために指輪を贈るハズだった。言ってしまえば結婚まであと少しだったのだ。
それなのに、そこまで行かずに死んでしまった。面倒臭い個性の持つ敵から幼い少女を守ろうとした結果だった。殺される前に救出出来たのは良いものの、どうやら当たりどころが悪かったらしく、爆豪は簡単に死んでしまったらしい。全然勝てる相手だったのだが、運も神もその時までは爆豪に微笑むことはなかった。
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