君の呪いは今日解ける 有能な年下の上司が、さっきからミスばかり繰り返している。そればかりか、暇さえあればぼんやりとどこか遠いところを眺めて、時折一人で百面相している。感情を制御するのに長けた上司がそうなる原因など、目良には一つしか思い当たらなかった。
「エンデヴァーと何かありましたか、ホークス」
「へ? へえぇ!?」
目良の言葉に顔を真っ赤にして、会長室のデスクに着いたホークスは、座った椅子を倒さんばかりに飛び上がった。
「な、な、な」
「あー、いいですいいです、言わなくて」
「何ですか自分で聞いといて!」
その反応から大体のことを察した目良が、疲れ目の目頭を揉んでもう一度抱えている書類に視線を戻す。横目で見るホークスは、「あ」だとか「う」だとか言ってもじもじした後、そっと椅子から立ち上がって目良の元まで歩いてきた。
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