竜魔人ダイ君の話荒涼とした大地に青い光がぽつんと輝いている。暗闇の中、強くしかし寂しそうに揺れている光。
そして、何故か自分は走り出す。
その光は、自分がずっと追い求めていた光
手を伸ばした瞬間、それが人の形を
鋭く眼差し。射抜かれるような強い光
背筋がゾクッとした。
無邪気な笑みを見せていたあの少年とは違う。
でも紛れもなく彼だった。
彼の父を思わせる
忘れもしないあの紋章の形
「あたしの声、聞こえないの……?」
戦いに明け暮れる中で、失ってしまったのだろうか
こちらに視線も合わせない
「おれはもう地上にいた頃のダイじゃない」
「違う!」
「ダイ君はダイ君だもの……!」
その鋭い眼差しはそのままに、その目から涙が零れていた。
透き通った瞳。あのころと変わらない、純真な輝き。それが青の光を纏ってより一層輝きを増している。
レオナは抱きついた。
かつて一度抱きついた時は、自分より背が低かった。その頭を包み込むようにして抱きしめた。
今や体当たりをするかのように彼の胸に飛び込んだ
それでもビクともしない体。動揺もしていない。
戦いで敵に押さえ込まれたのと同じ感覚なのだろうか
心が届かない。それでも語り出す
「どんな姿でも構わない。キミはひとりじゃないの。みんながキミを待ってるの。」
「そしてもちろん」
唇を重ねた。彼が記憶を喪っている