お題:夜更けのテレビの前、いざなう、状お題、夜更けのテレビの前、いざなう、状
お題元→デスノート的恋愛お題ったー
深夜一時。ニアはまだ寝ないで、さくらTVのAキラ大特集の生放送の録画を、操作室の壁を覆っている複数のモニター全てに写し、床に尻をついた状態でそれらを眺めている。
「ニア、昨日も一昨日も寝てないじゃないですか。いい加減体に障りますよ」
「昼間ゴロゴロしてるから平気です。作業が済んだなら、先に寝てください」
業務上のワタリとなってニアの手伝いをしているジェバンニに、ニアは顔も向けず、ぼそりとそうつぶやく。
「ゴロゴロするのとベッドで寝るのは違うでしょう」
ニアは、背中に立っているジェバンニの方を振り向く。
「あなたが一緒に寝たいと言うなら、寝てあげないこともないですよ?」
そう言って、揶揄うような笑みを浮かべる。
「なに言ってるんですか……」
「いい加減白状したらどうですか。私のことが好きな癖に」
ニアはまたモニターに顔を戻す。
このままではジェバンニの言うことを聞いてくれそうにもない。
「分かりました。一緒に寝てください」
ニアは驚いたのか、思わず振り向き、丸い目を更に丸くして、ジェバンニをキョトンと見つめる。
ジェバンニはニアのすぐ後ろに座り、床に垂れ落ちている彼の銀髪を手に取り、慈しむように頬に当てる。
子供のような容姿をした少年を好きになり、自分を戒め、押さえ込み、はや十年が経つ。ニアは立派な青年に成長した。そろそろ世間も許してくれるだろう。
ニアの手を取ると、ベッドルームへといざなった。