避ける理由 今夜はSPK捜査員全員内任務をしていたので、四人揃ってリビングで宅配ピザで夕食を取ることになった。
リドナーはテーブルを挟んで向かい側に並んで座っているニアとジェバンニを眺めながら、サラミピザを頬張る。
ニアは、自分に取り分けられたピザの上に乗っているピーマンをフォークで器用に取り除き、ジェバンニの取り皿に移している。
「あ、こら、また……」
ジェバンニが気付いて嗜めるが、ニアは何も聞いてないように、作業を続ける。
「野菜も食べないと大きくなれませんよ」
「……ジェバンニの癖に、差し出がましいです」
ジェバンニはため息をつき、ニアが自分のお皿に乗せたピーマンをフォークで拾い上げる。
「ほら、あーん」
嫌いだから取り除いた癖に、ジェバンニに促されて、ニアは意外と素直に口を開けて、差し出されたピーマンを頬張る。もぐもぐと動かす口は、気のせいじゃなければちょっとニヤけている。ジェバンニは何も気付かず、愚痴愚痴お説教してるけども。