スプレーマム強い風が己の長く伸びた髪を乱していく
遠く癒しの寺院を背に、切り立つ崖から崖下を見下ろす
いつもと変わらぬ風景
手に握っていた飾りなき花を風と共に解き放つ
ひらりひらりと、風にあそばれいくつもの花弁が舞い落ちる
それは流せぬ己の涙を代弁するかのように
魂は消えて無くならない
だが失ってしまった事実は還る事はない
散りゆく花を見届ける前に背を向ければ、己を無理やりにでも生かし、己をココに導いた赤い帽子が立っていた
目が合えば静かに頷き歩き出す
今は亡き,その人を胸に振り返る事なくその場を後にした
スプレーマムの花言葉
「高潔」「清らかな愛」「あなたを愛します」「気持ちの探り合い」