乾き誰かに本気で怒ったのはあれが初めてだった。
スラムにいたときでさえも、あんなに怒ったことはなかった。
サバナクローの寮長が夕焼け草原の第二王子だと初めて知ったとき、できるだけ関わらないようにしようと思った。
忌み嫌われ者の第二王子。まだ小さかった頃近所の噂で聞いた。第二王子は全てを砂に変える魔法を持っている。そして、気に入らない者は全て砂に変えてしまう、と。
とにかく問題を起こさないように、穏便に学園生活を過ごしたかった。ばあちゃんへの仕送りをしながら、普通に過ごせればそれでよかった。
あの日から俺の中の何かが変わった。
部活が終わった後、寮長が
「あとで俺の部屋に来い」
と言ってきた。
もしかして昨日、他寮のやつを殴ったところをみられてたのかそんな考えが頭の中を渦巻いていた。、
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