すてきなあなたリュミエールの淡い髪色は、陽に照らされると白く───そして透明に光って見えた。「日焼けしちゃうよん、せっかく綺麗な髪が」と日傘を差しかけられた彼の微笑みは、噴水の傍に密かに咲いたマーガレットも恋に落ちるほどだった。
「同じ人間だってのに、どうしてこうも違うんだ……。」
その日の精神の教官は、普段の彼からは想像もつかないほど弱気な態度を示していた。外の日は傾きかけている。カッチリと着込んだジャケットの襟をただしながら、何度も鏡の前で咳払いをする。それでもなんとなく決まらないような気がして、頭をいろんな角度に傾けてみた。やはりダメだった。
……事は昨日に遡る。
たまたま所要があって外を歩いていた時、細く柔らかい声に呼び止められた。
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