罪と夏「あのさ……俺、凛が好きなんだ!」
「え? 何言うてん?」
「凛って凛くん?」
「どうしたどうした?」
ここはバスタード・ミュンヘンの食堂。昼食の最中、俺は氷織たちに宣言をした。みんなは俺に何を言っているんだという目線を向けている。あれ? もっと祝福してくれると思っていたのに。想像していた反応とは違う……。
「あれ……? で、この夏、デートに誘う! それで凛に告白する!」
「凛くんがデートにまず来てくれるかが問題やな」
「そこは来てくれる前提なんだ」
「潔、いけるいける」
みんなが何か言っていたが俺は気にしない。まずは凛をデートに誘うことだ。オフシーズン入る前に連絡しなきゃ。今日練習終わったら誘ってみるか。
──凛、オフシーズンのどこかで一泊二日とかでどっか行けないかな……? お願い! 次のW杯も控えてるし、一度凛と話がしたくて!
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