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    初めて出した五七本です。
    二人でキャンプに行くだけですが、
    色々調べて一応書きました。

    キャンプへ行こう! 偶然が重なって二人揃っての休みとなった。しかも二日も。二日もあれば色々なことが出来る。それこそ一泊旅行だって可能だ。そこで五条が提案したのは意外にも「キャンプ」なのだった。
     朝早くに必要なものを調達し終えた五条は七海の自宅へ迎えに来た。ついでに一緒に朝食をとる。今回のキャンプについては全て五条の計画に寄るもので七海には詳細を一切教えていない。便利な世の中になり、急遽でも準備はレンタル出来る。それこそ金の力に物を言わせれば初心者とは思えない程の装備が揃った。巨大なクーラーボックスには食材や大量の水、飲料やお酒まで。
     現地で使うテーブル、デッキチェア。カーサイドオーニングにランタン。寝る時に必要なマットは後部がフラットになるため、まるでベッドの様な居心地になるものを選んだ。調理器具も一通りあり、コーヒー好きな七海の為にドリップ一式もある。至れり尽くせりだ。
     揃って食後のコーヒーを飲み干しいざ出発する。運転席には当然のように五条が座った。七海は行き先を知らないため当たり前だが、ドヤ顔で助手席に誘う五条に呆れる。五条は好い所を見せようと必死なのが透けて見える。その辺りをもっとスマートに出来れば、と七海は思うが、実はスマートに熟すことも五条は可能なのだ。けれど七海を前にすると台無しになる。結局喜ばせたい気持ちや褒められたい気持ちが押し出されてかっこ悪くなってしまうのだ。そんな所を憎めないと思っているのは五条には秘密の話。


     東京を離れ、さほど走ってなく感じていたが周りは山深くなっていた。高速を降りて山道を走る。完全に土地勘のない場所へ向かう車。途中の休憩と共にとった昼食は一時間程前になる。
     ちなみに昼食はサービスエリアを利用したので、七海はご当地ラーメンにパン屋で見つけてしまったカスクートをつけた。五条はうどんと天丼のセットを平らげたのち、これまたご当地のソフトクリームに舌鼓を打った。しつこく七海に食べさせようとして、結局七海が折れた。口にしたアイスは美味しかったが、五条に酷く舐めまわされたソレを口にするのは少し恥ずかしかった。そして走り続けているが一向にキャンプ場を示すような目印は出てこない。緑豊かな景色を眺め、七海は疑問を口にした。
    「一体どこに向かっているんですか?」
    「それは秘密。大丈夫、きっと気に入るから」
     答えは秘密らしい。その後また一時間くらいは走っただろうか。急に山が開けて見通しのいい広場に出る。どうやら目的地らしく、軽い音を立てて車が止まった。がらんとした一帯ではあるが、どう見ても私有地だ。我が物顔で五条が、ささどーぞ、と進めて来るということは
    「うちの山」
     そういうことだろう。


     外に出るとスッキリとした風が吹き抜けた。呪霊の気配もなく、ただ静かな場所。地面は綺麗にならされていて、本来の目的は何なのか想像がつかないが快適ではある。キャンプにスーツはやめて! と言われてニットとチノパンの井出立ちの七海は寒くも暑くもない、ちょうどいい気温と済んだ空気に目を細めた。
    「どう?」
     心地よさそうな顔をしている七海に五条が問いかける。
    「とても気持ちのいい場所ですね」
    「良かった! たまに使うことがあるからキチンと整備されてるし、今日は僕たち以外は誰もいないよ。伸び伸び出来るでしょ」
    「それは・・・贅沢ですね」
     五条も七海の横に並び、うーんと体を伸ばす。ずっと運転していた疲労を感じさせて、七海はお礼を言う。僕が来たかったからいーの、と言いながら周りをぐるりと眺めた。連なる山が見えて、合間には青空。絶景である。こんな好条件な場所を貸し切りという贅沢に、やはりただ物じゃないと感じさせる。
    「トイレがないのだけ残念だけどね。簡易トイレ持ってきてるし、自然の中で! ってのもたまには良くない?」
    「下品ですよ」
    「青空うんこだよ。開放的じゃん」
    「子供ですか」
     幼稚な単語を出してキャッキャとしている五条に呆れる。少し見直したばかりだというのに、本当に残念な人だ。
    「まずは泊まれる準備をしようか! そんなに難しくはないはずだから」
     こうして初心者二人のキャンプが始まった。




     まずはカーサイドオーニングの準備だ。カーサイドタープよりも組み立てが簡単ということでこちらを選んだ。値段でいえばタープの方がお手軽だが、手間を考えるなら断然楽な方がいい。どうせ居心地優先で金に糸目はつけていない。
     車のサイドについている収納袋から取り出す。梁のポールを横に流してシートを引き出す。クルクルしながら端まで伸ばしたら、支柱を立てる。ここで七海に支えてもらい、五条は梁のポールを支柱に接続した。布がたるまないようにマジックテープで固定しつつ、支柱の高さを合わせる。
     これだけで簡単に屋根が出来た。いそいそとチェアやテーブルを設置すれば、あっという間にキャンプ感が出た。長身の力強い男二人にとってはいとも容易い作業だった。
    「これだけで雰囲気出ますね」
    「でっしょー! 楽なのにして良かった。ねえどう? 僕かっこよかった?」
    「ハァ・・・そうですね」
     テント張りといえば男を見せる所。実際に五条の手際は良かった。七海は支えていただけだ。本当なら一人でも出来るらしいんだけど、と正直に白状してしまうのが可愛らしい。少し悔しかったようだ。車から巨大なクーラーボックスを取り出そうとするので、慌てて手伝う。腰でも痛められては大変だ。三つも出て来たクーラーボックスに目を丸くする。色々持ってきちゃったとは五条談だが、一体何が入っているのか。
    「ちょっと早いけど、ご飯の準備する? あ、それより少し座って休もう! この椅子も、えーと、有名なやつだって。座り心地はどうかな?」
     ロゴを見ると七海でも知っているアウトドアメーカーのチェアだった。手渡されたペットボトルを受け取りながら腰掛ける。どっしり沈む感覚だがしっかりと支えられる。背を預けるとちょうどいいリクライニング。これはいい。
    「いいですね。ここで読書をしたら気持ちよさそうだ」
    「二人でいるのに一人の世界に入るなよ」
    「失礼。でも本当に素敵な椅子ですね」
     素直な感想を言えば五条は嬉しそうに笑った。それから二人、少しだけ談笑する。やっと明かされた場所や、昔ハイキングに来たことがあるなどと聞かされた。


     少し日が傾くと夕飯の準備にかかる。五条が取り出した調理器具を見て七海は目を輝かせた。
    「ダッチオーブン!」
    「え、うん」
    「しかもこれは・・・とても良いものではないですか」
    「そうなの? てゆーかそれでテンション上がっちゃうの?」
     趣味特技が自炊の七海にとって、調理器具は嗜好品だ。ダッチオーブンが一般家庭にあることは早々ない。七海も欲しいには欲しいが特に必要ということはなく、所持していなかった。それが目の前にあり、今からワクワクしてしまう。
     これでどんな料理が出来るのか。あわよくばちょっと借りたり出来ないか、など。五条は苦笑しながら、あんまり期待されると自信ないと言った。クーラーボックスから取り出されたのは、何やら肉の塊だ。鶏一羽の形をした肉に七海はピンときた。
    「スタッフドチキンですか?」
    「正解! さすが七海だね。これはもう出来上がってるやつだけど。今度作ってよ、この鍋あげるから」
    「いいんですか?」
    「いいよいいよ。借りたもんだけど買取出来るでしょ」
     これはねー、冷凍ピラフが入ってるけど、僕フルーツが入ってるのとか食べたいな。と、七海が喜ぶようにリクエストも送る。ダッチオーブンといえばスタッフドチキンというように定番だ。絶対に作ってみたいと七海は思った。
     アルミホイルを敷き、肉の他にじゃがいもやにんじん、ブロッコリーなどを周りに詰める。こうすると野菜の水分で蒸し焼きになる。調理時間は一時間程。火にかけ蓋をし、その蓋で軽い焼き物を作る。今回は待ち時間を楽しめるようにカマンベールチーズを焼いて即席のチーズフォンデュにする。他にも火を使わないカルパッチョやサラダなどを準備する。
     それぞれ手分けして調理に取り掛かる時、五条から良く冷えた缶ビールを渡された。
    「飲みながら作るのがキャンプの醍醐味だろ?」
     二っと笑った五条の手にはジンジャーエール。七海は頬を緩めてそうですね、と返した。プルタブを開けるカシュと軽い音、ジワリと湧きあがる泡を零さないようにグビリと飲み干せば、喉を通る炭酸の刺激と程よい苦み。
     外で飲むビールは格別だ。七海は笑顔を作った。
    「キャンプ場じゃないからバーベキューは出来ないけどね。これはこれってことで。あ、でも川で魚釣って焼くのとかもやりたい」
    「それはいいですね。釣りの自信はありませんが」
    「その時はお腹すいちゃうね」
    「ふふふ、魚はあくまでゲストですね」
     軽口をたたきながらする料理は楽しかった。大自然の中でたった二人。誰にも遠慮はいらない環境がいつもよりも口を軽くして、二人の話題は弾んだ。


     軽食を並べ、横手に鍋を置く。焼き上がりまでの時間に食べ始めることにした。ここでまたクーラーボックスから登場したのは上等なワインだった。七海は驚きを隠せず、そんなものまで、と漏らす。
    「マグカップで飲むワインもきっと乙だよ」
     七海のカップになみなみとワインを注ぎ、自分用にも雰囲気を出すためにブドウジュースを注ぐ。そして乾杯と杯を合わせ、同時に口に含んだ。
    「はぁー、贅沢です」
    「たまにはいいよね。さ、食べよ」
     軽いものを突きつつ、鍋の上で蕩けているカマンベールにクラッカーを浸す。白ワインなどまったく使っていない即席チーズフォンデュはそれでもじゅうぶん美味しい。次々とバゲッドなどを食べていればすぐになくなった。まだまだ、とお代わりを出してくる五条に七海は笑いが止まらなかった。
     メインのスタッフドチキンが焼きあがる。切り分けを七海に任せ、五条は鍋の処理をしていた。切り開けば大量の湯気と共に現れる鮮やかなピラフ。肉汁はこれでもかと迸り、蒸し焼きにしていた野菜もホクホクだ。切っているだけで涎が出そうである。
     取り分けて頬張れば間違いのない味。しっかり米料理が入っていることで、満腹感もじゅうぶんだ。ハフハフと口に運びながら声にならない声を上げる五条。
    「おいひー。やっぱり七海が作ったのも食べてみたいな」
    「ええ、私なら・・・ふふ、想像が広がります」
    「絶対美味いよ」
     出来合いでは出せない味を想像することはとても楽しかった。あんなハーブやこんな香辛料を使ってみたい。五条は子供舌の所もあるから、中にカレーなど入れても喜びそうだ。今日の料理は確かに美味しいけれど、自分だったらああしよう、こうしようと広がる。けれど美味しいのは確かなので、料理はすんなりと腹へ収まった。
     膨れた腹を撫で、満足のため息つく。
    「五条さん、ありがとうございます」
    「うふふふ」
    「なんです?」
    「まだ終わりじゃないんだなー」
     ジャーン! と見せられたのはダッチオーブンでホカホカと出来上がったチョコレートケーキがあった。
    「こんなものまで!」
     鍋を処理していたと思っていたら、なんとケーキの具を仕込んでいた。うふふふと得意気に笑う五条。
    「コーヒーも淹れるね!」
     カセットコンロにヤカンを掛けていそいそと準備をする。まさに至れり尽くせり。お湯が沸くまでの時間で食事の片づけをする。基本的には捨てられるものなのでガサガサとゴミ袋へ景気よく放り込んだ。淹れたてのコーヒーとケーキでデザートタイム。
     ここまで信じられないことに仕事の連絡も入ってこない。奇跡のような晩餐に五条も七海も満足一しきりだった。
    「美味しいですこのケーキ」
    「美味しいね! 作るのは凄く簡単なんだけど。やっぱりシチュエーション効果かな」
     五条が作ったにしては甘さは控え目だった。その代わり死ぬほど甘いコーヒーを飲んでいるが。
    「食べ終わったら星でも見ようか」
    「そうですね、私達、花より団子でした」
     違いない。と主役級の星空を忘れて食事を満喫した。




     キャンプといえばココアだよ、と車内を眠れる状態にし、二人はココアを飲んだ。うつ伏せで並んで星を見る。後部ドアを開くと視界を遮るものがなくなって満点の星空が見える。
     そろそろカップが空になるかという頃、五条の指がニットをかいくぐり背中をなぞる。
    「するんですか」
    「するよ、僕だし」
    「意味わかりません・・・外ですよ」
    「大丈夫、誰もいないから」
     服から手を抜いて七海の肩を押して仰向けにする。七海は一つ息を吐くと諦めたように五条の首へ腕を回した。近くなる距離、唇が重なる。重ね合わせて軽くキスをしていると周りは気にならなくなってくる。それにどうせ二人きり。こんな夜は少し大胆になってもいいかもしれない。うっすらと七海が口を開けば、待ってましたとばかりに五条の舌が潜り込む。珍しく七海はそれを自ら迎え入れて絡める。ねっとりと掻きまわすように蠢く舌に合わせながら、時折きつく吸い上げる。じゅっと音を立てればピクリと腰が揺れた。
     口付けたまま五条がニットを捲り上げると、七海の乳首は外気に晒されぷくりと立ち上がった。
    「寒い?」
     そわりと肌が毛羽立つので聞いてみれば、いいえと答える。純粋な気温差とこれからの期待。それが相まって肌を泡立たせる七海に五条は喉を鳴らした。嬲るように腹を舐める。臍をくすぐれば小さく声が出た。鼻で笑うと息がくすぐったいのか腹がヒクヒクと動く。ずいぶんと感じやすい体に五条は機嫌を良くし、更に服をめくると七海の脇に顔を埋めた。
    「五条さん!」
     すかさず静止の声が上がる。
    「シャワーも浴びてないんですよ!」
    「いいじゃん、匂いが濃くて。滅多にないよ?」
    「だから嫌なんです、っ、ちょっと、舐めないで」
    「いやー」
     止める七海もなんのその。五条はベロベロと脇の下を舐めまわす。こそばゆさは快楽を連れて来る。強かった口調は崩れ、ひたすら息を飲むようになった七海を堪能し口を離した。ホッと息をつく間もなく攻撃は乳首へ移る。健気に存在を主張する小さな粒を口に含めば、七海はヒッと悲鳴を殺した。
    「ぁ、っん」
     必死に声を隠そうとする七海に、誰もいないって、と改めて二人きりのことを知らせる。思い切り泣いて? と懇願すれば七海は酷く嫌な顔をした。苦虫を噛み潰した様な顔が面白くて思わず笑ってしまう。七海は更に視線を鋭くして、悪趣味だと悪態をついた。
     舌でこね回し、咥えて吸い上げる。刺激を与え続ければ乳首は真っ赤に育ち、体も耐えられないように震える。
    「は・・・ん、あっ」
     片方を口で虐め、もう片方は指で責める。ねちっこい愛撫はだんだんと七海の理性を溶かし、艶めかしい声が上がる。車内に限らず外にまで漏れ出る喘ぎは五条の耳を楽しませた。長く愛撫した胸から顔を上げて首筋に吸い付く。微かに痕が残る力で印を散らしていく。明日までには消ええるだろう彩をチュッチュとつけていると、七海は五条の頭を撫でた。
    「力加減は褒めてあげますが、余り焦らさないで」
     珍しい七海のお誘いに五条はアハっと笑うともう一度唇にかみついた。上下の唇をガブガブと食みながら腕を下半身に伸ばす。七海の性器は既に兆している。窮屈そうなそれを開放するように手早くベルトを外し、前を寛げた。
    「どうする? 手でされたい? 口でされたい?」
    「・・・お好きなように」
    「じゃあ口ね」
     性急に下着から性器を取り出して口に含めばビクンと七海が仰け反った。先端を舌先で弄れば弱い所なので大袈裟に反応する。育ち切っていなかったペニスはグンと硬さを増してビクビクと震える。喉の奥まで迎え入れようとすれば泣き声が上がった。
    「ああっ、ごじょ、さん私・・・! アナタも」
     七海は起き上がると五条の頭を跨ぐようにして乗っかった。震える手でジッパーを下せば既にガチガチに膨らんだ五条自身が見える。猛々しいそれに一瞬怯んでしまったが、こちらも手早く開放し、咥えた。
    「んっ七海? してくれんの?」
    「はい・・・んっ」
     シックスナインの体制でお互いを愛撫する。五条が舌使いを見せつければ負けじと七海も続く。ビキビキに血管が浮いたペニスをまるで勝負でもしているかのように愛し合う。大きく揺れる腰を抱え込み、逃すまいとする。舐めて吸って咥えて。繰り返していけば限界は近くなった。
    「ふぁっ、もう、ダメです! 離して」
    「いいよ、このまま・・・僕も出る。飲んで七海」
     喉奥に叩き込まれる精液をどちらとも飲み干し、荒い息を吐いた。呼吸が整うまでしばらくその体勢でいた。


     脱力した七海を再び仰向けに寝かせると、五条はちょっと待っててねと端にある鞄をゴソゴソと漁った。取り出してきたものはローションとスキン。七海の衣服を完全に取り去り自分も全裸になると、五条は七海の股の間に陣取った。そしてすぐペニスを手にする。達したばかりで元気のなかったそれを手早く育てるように擦り上げた。
    「ちょ、急に」
    「ん~車汚せないからね。今日は七海もゴムつけて」
    「え? ああ、そうですね」
    「僕は別に汚れてもいいけどね。クリーニング頼めばいいだけだし」
    「絶っ対に嫌です」
    「わかってるってー。だから七海、中イキ多めにね?」
    「は?」
     素早く立ち上がったものにコンドームを被せ、すぐにローションを手で温め始める。状況がよくわかっていない七海を置いていきぼりのまま、ぬるくなった液体を後孔に塗りたくる。
    「待ってください、五条さん」
    「容赦なくいくよ~?」
     宣言通り手早く中指を七海の中に挿入した。
    「ぁあ!」
     しばらくウロウロと何かを探すように動いた指は勝手知ったる前立腺を見つけ出す。七海が勃起しているおかげでわかりやすくなっているそこをぐりぐりと刺激した。ぶるっと七海が身震いする。無視してコツコツとノックをするように叩き続ければ七海から悲鳴が上がった。
    「ま、早い・・・! ゆ、っくり、あんぅっ」
     弱い個所を重点的に攻め抜いているとそのうちに七海はガクガクと痙攣し、軽く達した。前からは何も出ないまま。中イキ一回目。これで少しは緩くなったと、今度は指を増やす。次はゆっくり味わうように中を弄る。ローションを足し、あられもない音が孔から聞こえてきて七海は耳を塞いだ。
    「何してんの」
     耳を抑える七海の腕を掴み、頭上で押さえつける。片手でそれを保持し、もう片方では引き続きアナルを刺激する。三本に増えた指はバラバラと動かされ、更に奥へと進もうとする。七海は首を振って嫌がった。
    「なんっですか、もう、こわい・・・やめ・・・」
    「んん? またイキそう?」
    「はぁっ、も、イッ」
     中がきつく締まり煽動する。二回目の絶頂を迎えた七海の顔は涙と鼻水、涎で汚れていた。しつこい攻めにほうほうの体で体をビクつかせている。ひっひっとすすり泣きのような声も聞こえて、さすがに五条はやりすぎたと反省した。
    「ごめんね、もうしないよ」
     だから挿れていい? と宥めるように頭を撫でてお伺いをたてる。徐々に落ち着きを取り戻して来た七海はしばらく五条の顔を見つめた後にコクリと頷いた。


     ゴムを纏った五条の性器がゆっくりと挿入される。七海の様子を見ながら決して急かずに埋めていく。カリの部分を含む苦しさに七海は顔を歪めていたが、じっと我慢をした。五条も突き上げたい欲求を抑え込み、あくまで紳士的に入れていく。全て含み切った時には二人して大きくため息をついた。
    「どうしたんですか今日は。マンネリ防止ですか?」
     挿入したまま七海の両頬を包み、キスの雨を降らせている五条に七海は尋ねた。いつもとは違う。環境もそうだが前戯が違う。通常ならこんな風に七海を一方的に追い込んだりしない。食事までのゆったりした時間が夢のような激しい責め苦は本気で怖かった。こうして挿れた後に一時的に時間を止めるのはいつもの通りだ。七海との性行為に退屈を感じて、非日常へ誘い、抱くつもりだったのか。
    「え!? そんなことないよ! 全然そんなつもりない!」
     いつも通りでもじゅうぶん幸せだよ、と言いながら五条は腰を使いだした。始めはゆるやかに、徐々にスピードを上げていく腰使い。そう、いつもの手順。
    「あ、でも一個試したいことはあるな」
    「え?」

     気づいたら上空にいた。

     五条の移動能力により、まぐわったまま空に浮かんでいる。実感するよりも早く、七海は五条にしがみついた。足元に何もなく、途方もない恐怖に駆られたからだ。
    「うん、いいね。もっとくっついて」
     五条は楽し気に声を弾ませ、七海の足を抱え上げる。そのまま律動を始めた。
    「な、なにを・・・あっあっあっ」
     内部を出し入れされる快楽に思わず声は出てしまうものの、不安により締め付けを強くしてしまう。ハァ、七海・・・と掠れた声が耳元で聞こえて、七海は更に抱きつく。
     グチグチと抜き差しをされている。山々と星に囲まれた空の中で、獣のように腰を振る五条。七海はついていくのが精一杯で、ひたすら落ちないように腕に力を込めた。
    「ハッハッあん、んうう!」
     強くなる締め付けに五条が歯を食いしばったのがわかる。七海、と名前を呼び口付けようと顔を近づける。

     そして、落下した。

    (死ぬ)
     死を確信した。もはやこれまでと目を瞑ると、次の瞬間柔らかなマットの感触を感じた。車内へと戻って来ていたのである。
    「ご、ご、ごじょうさ・・・」
     心臓は破裂しそうなほど鳴り響き、呼吸も整わず自分を抱える男の名を呼ぶ。
    「ハ、アハハ! ダメだ、集中出来なくて落ちちゃった」
    「馬鹿ですか!?」
     力いっぱいに殴る(その時自分の中も動いて、衝撃は自分にも返って来たが気にしない)それでも足りずに首を締めるとガクガク揺さぶった。
    「待って、七海、はげし!」
     五条への制裁は全て七海にも影響がある。それでも怒りが収まらなかった。一歩間違えてれば死。それも全裸で、まぐわって。こんな馬鹿な死に方があるだろうか。怒りの余り涙まで浮かんできた。
    「ごめん! 夢だったの! 空で駅弁!」
    「死んで詫びなさい!」
     止めにもう一度頭をポカリと叩く。五条はごめんごめんと口にしながら七海を抱き込んだ。喧嘩がしたい訳じゃないのだ。抱いた体にぎゅっと力を込めて、オマエを落とすなんてことは絶対ないよと言う。
     大切な大切な僕の七海。
     そう続けられて七海はようやく力を抜いた。間抜けに死にかけたことを許すことは到底出来なそうだが、七海とて争いたい訳でもない。ここで態度を変えてしまうのは甘すぎると思いながらもため息で怒りを逃がした。七海が落ち着いたのがわかると、五条は軽く体を揺すった。
     そう、ずっと入ったままなのである。
    「続けていい?」
    「ご自由に!」
     やけくそで叫ぶ七海。五条は苦笑を浮かべたものの、お許しが出たので改めて行為を再開する。上空の体制のまま、五条の膝の上にいる七海を支えると腰を動かした。流れ的に対面座位で抱き合いながら始まるセックスは穏やかなものだった。恐怖に縮こまった七海のペニスに手を伸ばし、ゴムの滑りを助けに擦る。
    「んっ」
     連動して狭くなった穴を更に広げるように奥まで咥えこませた。少し浮きあがっていた尻がペタリと膝に着く。ぐぐっと壁を押しのけて入り込む五条の怒張は最奥を突こうとしていた。
    「そこ、は」
    「入らせて? お願い」
     弁のようになっているすぼまりに亀頭で何度もキスをする。七海が力を抜き、五条は先へ進めた。ぐぷっと頭が狭い部屋に入った途端、七海は射精してしまった。
    「あ! あぁ・・・」
    「っ、もうちょっと、付き合って」
     スキンに七海の精液が溜まっていく様を見るのは新鮮だった。達したことによる襞の動きに五条は満足げなため息をつく。そのまま最深部を何度も突き上げ、吐精した。荒い呼吸を整える間もなく口を合わせる。舌を絡め合いながら互いの抱擁を強くした。
     スキンの残りはまだある。夜はもう少し続いた。



     翌朝も快晴だった。気を使っただけあって、車内は清潔なまま、二人は心地の良い眠りにありつけた。寝ぼけ眼なまま、いくら縛ってあるといえどもそこかしこに散らばる使用済みコンドームの数に、七海は痛むこめかみを抑えた。
    「おはよー。パン焼いたよ」
     能天気な声に目を向ければ、大活躍のダッチオーブンでいそいそとパンを焼いてる五条がいる。ありがとうございます、と返しつつ手近なビニール袋にコンドームを放りこむ。数を数えるのは途中でやめた。
     外に出れば焼き立てのいい匂いがする。軽くトーストされたバゲッドが並び、トッピングも幾つか用意されていた。七海は体をぐっと伸ばしテーブルに近付く。
     昨日の残りのサラダとトースト、インスタントのスープという簡単なものだが、青空の下というとこれでも御馳走だ。続いて作られたコーヒーと共に朝食を食べる。フランス産と思われるバターは驚くほど美味しかった。
     食後は片付け。一泊だけのあっという間の時間だった。テーブルやチェアを片し、カーサイドオーニングを畳んでると寂しい気持ちになる。同じ気分だったようで、何だか寂しいね、などと言い合いながらキャンプ用品をしまい込んだ。
    「また来たいね」
    「そうですね。今度はもっと大人数でも楽しいかもしれません」
    「えっ、それじゃエッチ出来ないじゃん!」
    「ひっぱたきますよ」
     大人数でキャンプなんて叶わない願いだとは思う。けれど夢を見るぐらいはいいではないか。子供たちを連れてワイワイと釣りに勤しむ未来を想像し、七海は小さく微笑む。満足そうな七海を見て、五条も笑顔になった。
     帰路、危なげないドライビングを披露していると七海から声がかかる。
    「やっぱりマンネリ防止なんでしょう」
     助手席から爆弾が投下される。そんなつもりは毛頭なかったけれど、どうやら七海のトラウマになってしまったようだ。オマエに飽きるとか絶対ないから! と力強く力説する五条にそうですか、と軽く受け流す。
     運転席ではあーだこーだと七海への愛を語る五条。七海は興味のないふりをしながら口元だけが緩んでいた。
     こうして日常へ帰っていく。
     たまにはいいかもしれませんね。五条には絶対に秘密だが、そんなことを七海は思うのだった。


    おわり
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    1nooo

    DONE初めて出した五七本です。
    特殊能力をもつ人を管理する施設でのお話。
    パロものです。
    おねしょたみたいな物を書きたいと思って書きました。
    GuiltyWhite その建物は箱のようだった。建築法を違反しているのではないかと思うほどに窓が少ない。そして真っ白だった。入口の扉も白、長方形の壁は全て白。そして内部に至るまで白一色だった。
     箱の中も白い。箱の中の人物も。
    「ななみ」
     男は真っ白だった。何もかも。



     箱の正体はとある研究所だった。それも一般的ではない。研究対象は主に超能力者といわれる人々であり、その力を持って国家に害をなそうとするいわゆるテロリストだ。七海はそこで働いていた。テロ思想など端からなく、なぜ所属しているのかと言えば、なりゆきといったところ。決して危険思考は持ち合わせてはいない。
     古い知人の口車に乗せられて、あれよあれよと従事することになってしまった。自身が犯罪者の一員になってしまったことはとうに諦めた。むしろ早く摘発されればいいとさえ思う。その先が死刑であれ、七海は何も思わなかった。ただ一つの気がかりを除いて。それはここで研究対象となっている超能力者たちだった。自らの力を信じ、率先してテロに加担する能力者がいる。そいつらはどうでもいい。七海が気にしているのは年端もいかない子供や自分の力がよくわかっていないような者たちだ。
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