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    初めて出した五七本です。
    特殊能力をもつ人を管理する施設でのお話。
    パロものです。
    おねしょたみたいな物を書きたいと思って書きました。

    GuiltyWhite その建物は箱のようだった。建築法を違反しているのではないかと思うほどに窓が少ない。そして真っ白だった。入口の扉も白、長方形の壁は全て白。そして内部に至るまで白一色だった。
     箱の中も白い。箱の中の人物も。
    「ななみ」
     男は真っ白だった。何もかも。



     箱の正体はとある研究所だった。それも一般的ではない。研究対象は主に超能力者といわれる人々であり、その力を持って国家に害をなそうとするいわゆるテロリストだ。七海はそこで働いていた。テロ思想など端からなく、なぜ所属しているのかと言えば、なりゆきといったところ。決して危険思考は持ち合わせてはいない。
     古い知人の口車に乗せられて、あれよあれよと従事することになってしまった。自身が犯罪者の一員になってしまったことはとうに諦めた。むしろ早く摘発されればいいとさえ思う。その先が死刑であれ、七海は何も思わなかった。ただ一つの気がかりを除いて。それはここで研究対象となっている超能力者たちだった。自らの力を信じ、率先してテロに加担する能力者がいる。そいつらはどうでもいい。七海が気にしているのは年端もいかない子供や自分の力がよくわかっていないような者たちだ。
     七海の仕事は主に能力者の世話である。健康面やメンタル面、食事の管理など。噛みついてくる者、見向きもしようとしない者、様々な反応をする人の中でも数人は仲良くなったりもしている。そんな彼らが罰せられるのは何とも目覚めの悪い話だ。


     新しい能力者が研究所へ連れられて来た。どこか他人事に事務所で一服していたところ、所員が駆け込んできた。
    「七海さん!」
    「どうしました」
     慌てた様子の人物は確か新人の立会人であった。何かトラブルだろうか。
    「被験者が暴れておりまして」
    「なるほど」
     七海の元へこういった要件は多い。人より優れた体格に見合った力がある。被験者が暴力的な行動に出た場合に非常に有益だ。また、日頃から超能力者と交流があるため、比較的好印象を与えることが出来る。こうして新人の対応をすることも慣れていた。
    「向かいます。部屋は?」
    「五号室です!」
     七海は問題の人物の部屋へと白い廊下を走った。


     扉を開けてしばし動きが止まった。複数人に押さえつけられている男(件の新人だろう)は余りにも真っ白だった。ただでさえベッドとユニットバスがついているだけの無機質な部屋は白い。
     そこに髪も服も真っ白な男が取り押さえられている。目を奪われるのはそのプラチナの髪と真っ青な瞳。睨むようにこちらを見ている目は、信じられないぐらい美しいブルーだった。もはや日本人どころか人間としても珍しい。作り物のような男に、七海は心を奪われた。一瞬本当に心臓が止まった。
    「七海!」
     同僚の声で我に返る。我に返るというより、生き返ると言った方が正しい。なんて能力だ、と内心冷や汗をかいた。
     慌てて近寄り膝をつくと、出来るだけ優しい声を出した。
    「はじめまして。私は七海建人といいます。アナタに危害を加えるつもりはありません。どうかお話をしてくださいませんか?」
    「ななみ」
     男は声も美しかった。
    「ええ、七海です。いいですか?五条さん」
     五条悟。それが確か新人の名前だった。落ち着いた声で話しかける七海に少し興味を持った様子で、無理に暴れようとはしなくなった。それでもまだ拘束は解かれない。顔だけをこちらに向けて、いっそ無邪気といった視線で七海を見つめる。
    「ごじょう・・・」
    「はい。五条悟さん。アナタのお名前です。もしや、おわかりにならない?」
    「わかんない」
     五条には記憶がないようだった。ここに連れてこられるまでの薬物の影響か、はたまた元からな物なのかはわからない。けれど記憶のない中突然こんな場所に連れ去られては暴れたくもなるだろう。五条の能力はまだわからないが、所員が押さえつけていることで収まる程度と考える。七海はもう一歩進んだ。
    「ねえ、痛いんだけど」
    「五条さんがおとなしく私とお話してくだされば離します」
     勝手な約束で回りに動揺が走るが、ここは七海に任せるしかない。憮然と頷いた五条を確認すると、七海は押さえつける男たちに目配せをした。しぶしぶ離れていく所員を一睨みして五条は腕を回した。なんなの、と文句も出る。ブスリとした顔はあどけなかった。
    「手荒な真似をして申し訳ありません。五条さん、アナタには特別な力があります。我々はそれを世界平和へと繋がらないか研究している団体です。どうぞお力を貸していただけませんか?」
     言いながら口が曲がりそうになる。何が世界平和だ。企みは国家制圧だ。代議名分とはいえ大きく出たものだと自分でも嫌になる。当の五条は興味がないという顔をしている。当然だろう。いきなり拉致をされて世界平和とは。
    「今は気が立っているかもしれませんね。少しゆっくりとお休みください」
    「ななみ」
    「はい?」
    「ななみはみかた?」
    「・・・もちろんです」
     これだけは嘘ではなかった。七海は被験者側に立つ存在だ。それが仕事とはいえ、機械的に彼らに接することはない。立派な人間なのだから。他の職員はどうしても忘れがちになっていること。人権を持って接すること。七海は絶対に忘れまいとしている。
     じっと見てくる五条の頬をそっと撫で、七海は部屋を退室した。出ればさすがだと褒めてくる同僚を軽くいなす。これぐらいで呼び出しがあれば、今後も頻繁に呼び出されることは想像に難くない。せめて五条への扱いが人的であればと願う。

     この時の七海は五条について何も知らなかった。



     七海が再び呼び出されたのは一週間後だった。それまでも食事の配膳などで五条とは接していたが、特に変わりはなく、相変わらずあどけない仕草で「ごはんまずい」と文句を言っていたぐらいだ。被験者への差し入れなどは自由である(ただし逃走可能にするものを除く)何か欲しいものを聞けば、甘い物と返ってきた。なので顔を出す度にお菓子を差し入れたりしている。
     すると七海には懐いたのか、どうでもいい話などをして、時に笑顔を見せることもあった。生活にも慣れたようで安心した矢先の呼び出しである。
     部屋の隅に五条は蹲っていた。慌てて駆け寄れば彼の体は微かに震えている。そっと背中に手を回すとビクリと弾んだ。
    「五条さん」
    「ななみ?」
     持ち上がった顔は涙に濡れて痛々しいものだった。潤んだ目が七海を認めると縋るように抱き着いてくる。その体を支え、七海は背を撫でた。かわいそうな程に怯えている。これは何か人道的でない実験が行われたに違いない。
    「何がありましたか?」
     問いかけると思い出すのも辛そうに五条の顔が歪む。そしてポツリと吐き出された。
    「刺された」
     なんと?
    「は、刃物で、体中」
    「なんてことを!」
    「でも僕、刺さらないんだ。どんなに刺しても傷一つ。僕は何? なんで?」
     怖い・・・腕に力がこもる。最初はいつも通りの検査だったようだ。それが採血をしようとしたところ針が通らない。何度試しても刺さる気配もなく、研究者たちは頭をひねったという。それにしてもだ。いくら実験のためとはいえ、刃物でめった刺しにされる気分はどうだろう。五条の怯え方も尋常じゃない。当然だ。人は本能的に刃物を警戒する。それを体中あらゆるところに突きつけられたとしたら、心はとんでもないダメージを受ける。
     しかも五条には一切傷がつかなかったという。これは彼の能力によるものだろう。それにしたって自覚もない五条にとっては自分が何者なのか見失う切欠でもある。七海は五条を強く抱きしめて、大丈夫です、と言い聞かせた。
    「アナタのそれは特別な力によるものです。決して化け物などではありません。それでも・・・怖かったですね」
    「ななみ・・・」
    「大丈夫です。危害が加えられたなら、すぐ私に。上に掛け合います」
    「うん。ありがと」
     ようやく落ち着いた五条にほっとする。白衣のポケットに入っていた飴玉を差し出せば、喜色ばんで口に含んだ。全く子供のような仕草だ。五条についてはわかっていないことが多い。強力だと予想はしているものの、血液による検査が出来ないのであれば他の装置で見るしかない。
     七海は嫌な予感がしていた。この無敵とも言える肌。どのように今後調査されるのか。暗澹たる気持ちで五条の部屋を後にした。


     七海の予感は正しかった。その後五条に対する実験は苛烈を極めた。電気ショック、火責め水責め、薬物投与に至るまで。これではまるで拷問である。実験が行われる毎に七海は五条の部屋へ赴き慰めた。上司にどれほど掛け合ってみても「あれは物凄い力を秘めている」などとアホでも言うようなことを宣い聞かない。抗議を重ねれば七海への懲罰もあった。
     それでも七海は挫けなかった。ひとえに五条がまだ諦めてはいなかったから。部屋に訪れれば笑顔で七海を迎える。どんなに酷いことをされても、最初のように泣き出すことはなく、気丈に耐えていた。
    「すみません、私の力不足です」
     改善しない状況に申し訳なさを隠せない。けれど五条は気にしないでと、むしろ七海を気遣うようになった。用もなく部屋を訪ねるようになって少し、珍しく五条がベッドの上にいた。
    「五条さん?」
     声を掛けると心なしか赤い顔をした五条が振り返る。熱でも出たのかと慌てて駆け寄れば、五条はシーツへ潜ってしまった。心配して揺すってもモゾモゾろするだけで出てこない。いよいよ焦った七海は失礼します! とシーツを取り上げた。
    「あ・・・」
     ベッドの上で丸まっている五条に取り分け異常は見つけられなかった。ただやはり顔は赤いしハァハァと息を乱している。
    「具合が悪いのですか?」
    「ううん・・・その・・・」
     歯切れ悪く答える五条の額に手を置く。熱はないようだった。であれば、どこが? 熾烈な責め苦にも耐えた体がついに悲鳴をあげたのではないかと不安になる。肩を撫でてやれば五条はビクリと反応した。
    「ななみぃ」
     甘えたような、そんな声。五条がおずおずと足を開くと、その理由が判明した。五条は勃起していた。一瞬虚を突かれてきょとんとしてしまうが、ああ、と納得する。五条はそれをどうしたらいいのかわからないのだ。今までも幼い仕草をしていた。外見はどう見ても二十代だが、精神は限りなく子供である。予想外の勃起に戸惑っているようだ。
    「ああ、それは。そうですね、ちょっと失礼します」
     七海は五条の股間に手を伸ばした。そっと触れるだけで過敏に反応する五条。怖がらせるかもしれないと、怖くないと言い聞かせながら服の上から握りこんだ。うぅ、と呻き声が上がる。
    「これは適切に処理をしないと辛いんです。教えて差し上げますから、体を起こせますか?」
     むくりと上体を起こした五条の後ろに回る。抱え込むようにして座ると、五条は戸惑いながら振り向いた。大丈夫ですよ、と繰り返しズボンの中に手を入れる。下着からペニスを取り出せば見事にそそり立っていた。五条の手を取り陰部に添える。その上から七海は包み込むようにして握った。
    「こうして擦るんです。優しく、気持ちよいぐらいで」
     にゅくにゅくと動かせば五条の体は敏感に震え、体重を掛けてきた。それを物ともせずに支えて愛撫をしていく。たまに人差し指を伸ばして先端の穴を弄ると反応は大きくなった。獣の如く呼吸に小さな喘ぎ声が混ざる。
    「ハッハッハッ」
    「気持ちいいですか? 出そうなら出していいですからね」
    「んぅ、ななみぃ・・・なんか・・・」
    「いいですよ、イって」
    「あっ!」
     ドクッと極まった性器から精液が迸る。遮るように添えていた手のひらに濃い液体が吐き出された。五条が力を抜いてくたりともたれかかってくるのを、七海は軽く揺するようにしてあやした。ポケットから取り出したハンカチでペニスと手を拭ってやる。五条は頭をこすりつけて甘えてくる。それを何だか愛おしいと思ってしまった。
    「次からは自分でやってみてください」
     五条の背を支え、上体を起こすと、振り向いた五条が唇に触れてきた。感極まって咄嗟にしてしまったのだろう。それはごく自然に行われ、ふにっとした感触を七海は悪いと思わなかった。



     夕飯を配膳していると、ナナミン、と声が掛かった。部屋の住人は虎杖悠仁。彼の能力はずば抜けた身体能力と怪力。コンクリートぐらいならば素手で砕くことが出来る。
    「俺、今日のにんむ? ちゃんと出来たよ!」
     無邪気に報告してくる様子は大変愛らしい。七海は薄く微笑みながら、頑張りましたね、と頭を撫でる。すると彼は照れ臭そうにヘヘヘと笑い喜ぶのだ。素直で邪気がない少年に七海は心を許している。例えこの腕が突然むしられても構わないと思うほど。幼気な少年はいつもこうして七海とのスキンシップを図るのだ。
     隣の部屋には美しい少女、釘崎野薔薇。彼女は自身が持つ藁人形で、実際に相手を操れる。とはいえ同期させるのは己の肉体。つまり相手の心臓を貫くためには自分の心臓を止めなければならない。今まではそんな指令は降りていないが、いつ降りかかるともわからない。七海は彼女も大事にしている。
    「七海さん、この美少女の部屋がこれって、ホント納得いかないわ」
    「そうですね、では何か差し入れをしましょうか」
    「え! 七海さんが選ぶものって間違いないじゃない! やった!」
     膨れていた顔がすぐに笑顔になる。こちらも大変愛らしい。七海は美味しいものか可愛いものかを悩みながら次の部屋へと行った。
    「こんばんは、伏黒君」
     次の部屋の主は伏黒恵。先の二人と同じ十五歳の少年。クールで無口な彼は余りお喋りをしない。けれど
     モフッ
     七海の足元には二頭の大きな白と黒の犬がいた。体を摺り寄せ尻尾を大きく振っている。その可愛らしい様に毒気を抜かれ、七海は屈んで相手をした。伏黒の能力は召喚。この可愛らしい二頭も鋭い牙と強靭な顎で敵を殲滅する。七海には大変懐いているが、これは召喚した本人の心が影響しているのだろう。つまり大いに好かれている。
    「相変わらず見事な毛並みです。ああ、癒される」
     本心から褒めたたえモフモフと楽しんでいると、伏黒から、ッスと小さい返事があった。コロコロを掛けてもらい、最後に向かうのは五条の部屋だ。
    「ななみ!」
     大歓迎で迎えられる。自慰の補助をしてからグンと距離が縮まった感はある。実はあの後も、自身で処理が出来るようになったにも関わらず、甘えて補助を頼んでくることもある。その折にくすぐったい程の柔らかさで唇を啄まれるのも日常だ。監視カメラで見られていることなど気にしない。七海はそもそも所員全員に心を開いていない。陰で何を言われても知ったことじゃないのだ。
     相変わらず拷問まがいの研究は続いている。何か反応があっては大騒ぎになるのだが、五条の能力はまだ秘されたままである。一体どのような潜在能力があるのか、七海には検討もつかなかった。それでも日々過酷な試練を耐えて笑顔でいる五条に情がわかないはずがない。
     熱烈に抱擁してくる彼を受け止める。そこで珍しく五条が囁いた。
    (消灯後、ここに来て?)



     深夜。七海は懐中電灯を使い白い廊下を歩いていた。巡回と言いながら向かっているのは五条の部屋だ。遊びに来てなどという誘いは何度も受けたが、それはだいたい消灯までの間にあった。暇なら来て、とか、ご飯の後に、とか。消灯後の誘いは初めてだったので、どことなくソワソワしてしまう。そして囁いてきた五条にも何か違和感があった。
    「五条さん」
     小さくノックをして解錠する。横開きの扉をスライドすると、暗闇の中、ベッドがこんもりしていた。呼んでおいて寝てしまったのか。それならそれでいい。何か問題があったのではないかと心配だったのだ。
     念のためにベッドまで近寄る。するとシーツの中から伸びて来た手が七海の腕を掴んだ。咄嗟のことに反応出来ず、掴まれた腕をベッドの中へと引きずり込まれる。自然と乗り上げる形になり、五条が起きているものだと確信した。腕を引く手は止まらず、とうとう七海はベッドの上に引き倒された。上に被さる五条を見上げても真っ暗で何も見えない。持っていた懐中電灯は床に転がっていた。
    「何を・・・」
    「ななみ」
     降ってくるのはいつも通りの声。七海は少し気を許し、体の力を抜いた。
    「どうしたんです?」
    「したい」
     ぶつ切りの言葉のみで返される。したい? と疑問に思うと、ちゅっと軽い音を立てて唇を吸われた。なんだ? と思えばもう一度重なる。いつもより長く、あぐあぐと食べるように口を噛んでくる。落ち着かせるように胸を数回叩けば五条のそれは止んだ。そしてまた
    「したい。だめ?」
     と問いかけて来る。ここまで来れば何がしたいのかがわかる。性行為を求めているのだろう。しかもいつもの自慰補助とは違う、いわばセックスを。どこでそんな知恵を付けたのか。上から腰を擦り付けて来るモノは既に硬い。
     七海は何と断ろうかと悩んだ。しかしもう猛っているものを扱くだけでは満足しないだろう。そして初めてだろう行為を他ならぬ七海としたいと望んでいる。閉鎖された空間、ないに等しい自由。ならばこれぐらいは叶えてあげても良いのではないか。肌を知らない仲ではない。ならば
    「好きにしてください」
     七海は受け入れた。


     押し倒された体制のまま、白衣をはだけシャツのボタンを外していく。自ら脱ぎ始めた七海を五条は穴が開くほど見つめている。全てのボタンが外され、シャツの前を開くと、我慢出来なかったように五条が吸い付いてきた。首筋から胸に至るまで降るようにキスを散らされる。そして唇が乳首に触れると思う存分吸い上げられた。強い刺激に七海の体が跳ねる。五条は子供が母乳を求めるように強く吸ったと思えば今度は優しく舐りだす。本能のまま行うその行為は予想がつかず、七海はいいように踊らされた。
     散々上半身を楽しむと、今度はベルトに手がかかる。迷いのない動きに焦るが、上手くバックルを外せない手に思わず笑みが浮かんだ。
    「やりますよ」
     七海は自分でベルトを外し、腰を浮かして下着もろとも脱ぎ捨てる。そうすると五条は待ちかねたように七海のペニスに手を伸ばした。ぎゅっと掴まれて息が詰まる。強弱を忘れたかのようにゴシゴシと扱かれると快感ではなく痛みが勝った。
    「五条さん、もう少し優しくしてください」
     いつも通り五条の手の上へ掌を重ねる。そうして優しく包めば五条の手からも力が抜けた。ゆるゆると扱われ次第に熱が溜まっていく。立ち上がり始めた性器を五条は一心に愛撫した。
    「気持ちいいです・・・」
    「ななみ」
     優しく伝えれば熱く名前を呼ばれた。そこで更に腰が重くなり、七海は五条への気持ちが同情だけではないと知る。求められることが嬉しい。完全に勃起したペニスを見ると、五条は自分も衣服を脱ぎ捨てた。そして七海の陰茎に合わせて自分の怒張を重ねる。一体どこで覚えて来たのか。兜合わせと呼ばれる行為だ。
    「あっ、ななみ」
    「んん・・いいですよ・・・」
     ヌルヌルと二本が擦れ合うと、言いようのない快感が湧きあがる。衝動のまま腰を打ち付けて来る五条の頭を撫で、七海は感覚に身を委ねる。体が合わさっていることの安心感がより気持ちがいいものとした。
     お互いに終わりが見えて来ると、五条がもぞもぞと動き出した。どうやら七海に挿入したいらしい。七海としても答えてあげたいとは思うが、未経験で上手く行くのか不安だった。ここには何か濡らせる物もない。こんなことならワセリンでも持って来れば良かったと、予想外の出来事に残念に思った。と、そこで一つ思いつく。
    「ちょっと失礼」
     まとわりつく五条から身を離して備え付けられているデスクを見た。あった。七海が差し入れたアカシアの蜂蜜。ないよりはマシだろうとそれを手に取った。
    「ハチミツ?」
     とろりとした蜂蜜を手にまぶし、恐る恐る後孔に触れてみる。粘土は高いが滑りは悪い。しかし決心をして七海は指を中へ入れた。酷い違和感だった。不快に感じながらも中まで挿入する。ヌチヌチと指を動かせば、幾らか助けになる蜂蜜が穴から外へ垂れて行った。
    「ぐ、うう」
     冷や汗を浮かべながら中を弄る。すると見ていただけの五条が、同じように蜂蜜を手に取った。瓶の中に指を差し入れ掬い取る。そして七海の中へと潜りこませた。
    「うっごじょうさん?」
    「僕も」
     増えた指に圧迫感が増す。しかしドロドロに蜂蜜を纏った指は少し滑りを良くしていた。二本の指が狭いそこを蠢く。七海は知らずに息を荒くし、浅い呼吸をしていた。ぐりっとどちらかの指がしこりを掠める。
    「アッ」
     思わず漏れた七海の甘い声に、五条はニヤリと笑った。七海の指を絡めるようにしてその辺りを念入りに潰し回れば、前立腺を見つけることが出来た。再び上がる嬌声に五条は重点的にそこを刺激する。

    「は、んぁ・・・あっ、そこは」
     身を捩りながら喘ぐ七海の姿は煽情的で、五条は溜まらず指を引き抜いた。釣られて抜ける七海の指。ポッカリと空いた口に、性急に五条がペニスを押し付ける。
    「ま、待って」
     静止の声も聞かず、ググっと無理に押し込めば、切れるギリギリまで広がる穴。五条自身もキツイはずなのに、唸り声を上げながら奥へと進む。太い部分を含みきって七海はため息を漏らした。だが五条は止まらない。気の赴くままに腰をぶつけてくる。
    「五条さんっ、きつ、ゆっくり!」
     七海の言葉に少し動きを緩める五条だが、基本的には変わらず。それでも愛の力なのか。七海は少しずつ快感を拾っていった。痛くない訳でも苦しくない訳でもない。ただ必死に腰を振る五条が愛しくて。
     気付けば五条の首に腕を回し、合わせるように体を揺らした。
    「ンっ、あっあっ、ごじょうさ・・・」
    「ななみ、ななみ」
     それは中に五条の精液が吐き出されるまで続いた。




     五条に抱かれた翌日は散々なものだった。疲れ切った体に、追い打ちをかけるように周囲がざわついている。組織のトップが来る日なのだ。どうせろくでもないことを指示されるのだろう。今回犠牲になるのはどの被験者なのか。体と共に心を痛めていると、建物内で轟音が響き渡った。警報機が鳴り響く中騒然となる辺り。七海自身も何事かと席を立った。誰かが騒いでいる、どうやら五号室から、と聞き取れる。
    (五条さん!)
     七海は走った。
     たどり着いた五号室は中から爆発したかのような有様だった。五条の姿はない。バタつく周りに紛れながら五条を探すと、今度は所長室から爆音が轟く。そっちか、と所長室まで駆け付けるとそこにはニコニコ笑った五条がいた。
     五条の周りには何人もの人が倒れている。瓦礫の下敷きになっている者も多数。五条の片腕には所長が捕まっていた。
    「や! なーなみ!」
     場違いに明るい声が響く。うごうごと藻掻く所長を放り投げ、そちらの方へ何か衝撃波のようなものを放つ。壁が崩れ去り落ちて来る天井。右往左往する職員。それを横目に五条は七海へと近づいてきた。
    「五条さん・・・」
    「今日はエライ人が来るって聞いてね。ぶっ壊すにはちょうどいいと思ったんだ」
    「え」
    「自由になるんだよ!」
     続く衝撃波。壊されたのは子供たちが収容されていた壁だった。出ておいで~子供たち! と陽気な五条の声に、三人共一瞬の後に飛び出してくる。チャンスなのだ。明日には無駄死にを強いられるかもしれない世界。狭い部屋に押し込められた日常。自由へのチャンスは子供たちにとって何物にも変えられないものだった。七海は無事三人を保護すると、未だ信じられない目で五条を見る。五条は歯向かってくる所員を蹴散らしながら堂々と歩いていた。真っ直ぐに目指すのは出口。四方八方からの攻撃は子供たちも参戦し、今や五条たちを阻むものは誰もいなくなった。茫然とする七海に手が伸ばされる。
    「さ、行くよ。七海!」
     腕を引かれ走り出す。思考も追いつかずにいるなか、五条の腕が力強く光っていた。



     五人が建物を後にすると巨大な音を立てて箱は崩壊した。それを見て釘崎がキャー! と歓声を上げる。もうもうと煙が上がり巻き込まれそうになると、五条が素早く他の人間を抱えた。そして飛んだ。
     気付けば大きな国道と思われる道路にいた。え、どうやったの!? と虎杖から声が上がる。んっふっふ~と意味ありげに五条は笑うだけだった。
     現状についていけない七海に、まだ呆けているの? と聞く。七海はしばらく考え込んだ後、ぐっと五条の首元を掴んだ。
    「アナタ、いつから正気に!?」
     ええー、と面倒くさそうな声で五条は語った。
     曰く、日々の実験で少しずつ記憶が戻って来たこと。自分の素性や能力についてもしっかりと自覚したこと。どうせ壊すなら跡も残らず誰一人残さずぶっ潰そうと。
    「それが今日です! あ、七海を抱いた時はもう正気だから」
     パチーンと頬を張る音が響いた。反射的に七海が五条をひっぱたいたのだ。子供の前で何を言うのかと。だいたい、これからどうするんですかと詰めよれば、五条は平気平気と繰り返した。
    「僕、それなりの家柄の人間なんだよ。七海の仕事も、えーっと、君たちは」
    「虎杖悠仁です!」
    「釘崎野薔薇よ」
    「伏黒恵」
    「悠仁と野薔薇と恵ね。うん、君たちの将来だってなんとか出来る!」
     なんとかって・・・とこめかみを抑える七海に腕を回して五条が笑う。家も居場所も、なんなら戸籍だって与える。学校に通わせて普通に生活をさせる。能力はコントロール出来るように鍛える。
     そして七海は警察に捕まることはない。なんせ、組織にいた事実は全て潰してしまったのだから。働き先なんてどこでも紹介できる。僕の元へ永久就職だって構わない。
     最後の一つは余計だったが、五条が出来ると言い放つ条件は十分だった。いざ自由になったところで居場所をなくしてしまう子供たちが何より心配だったのだ。
    「どうして私を連れて逃げたのですか?」
    「だって七海は味方だったじゃない! それに、この子たちもオマエが好きだって」
     ね? と問いかければ三人はうんうんと頷いた。あの場所の人間は一人残らず最悪だったけど、七海さんは別! と釘崎が言い張る。それに賛同するように、ナナミンは優しいとか、玉犬がよく懐いていたと他の二人も続いた。七海は照れくさくなりながらも、ありがとうございますと告げる。大切に思っていた子たちにそんな風に思われていたなら嬉しい。
     信じてもいいのですね?と問いかける七海に五条は事も無げに言った。


    「大丈夫。僕、最強だから」


    おわり
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    DONE初めて出した五七本です。
    特殊能力をもつ人を管理する施設でのお話。
    パロものです。
    おねしょたみたいな物を書きたいと思って書きました。
    GuiltyWhite その建物は箱のようだった。建築法を違反しているのではないかと思うほどに窓が少ない。そして真っ白だった。入口の扉も白、長方形の壁は全て白。そして内部に至るまで白一色だった。
     箱の中も白い。箱の中の人物も。
    「ななみ」
     男は真っ白だった。何もかも。



     箱の正体はとある研究所だった。それも一般的ではない。研究対象は主に超能力者といわれる人々であり、その力を持って国家に害をなそうとするいわゆるテロリストだ。七海はそこで働いていた。テロ思想など端からなく、なぜ所属しているのかと言えば、なりゆきといったところ。決して危険思考は持ち合わせてはいない。
     古い知人の口車に乗せられて、あれよあれよと従事することになってしまった。自身が犯罪者の一員になってしまったことはとうに諦めた。むしろ早く摘発されればいいとさえ思う。その先が死刑であれ、七海は何も思わなかった。ただ一つの気がかりを除いて。それはここで研究対象となっている超能力者たちだった。自らの力を信じ、率先してテロに加担する能力者がいる。そいつらはどうでもいい。七海が気にしているのは年端もいかない子供や自分の力がよくわかっていないような者たちだ。
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