全部夢「おれとエースが悪かったんだ」ふたりぶんの死体の上でルフィは呟いた。
「サボが親に連れてかれるとき手を離しちまった。手を離しても、こうしてもう一回連れ戻しに行けばよかったんだ」サボは首を振ってルフィの手を握る。
「違うルフィ、おれはひとりでも抜け出せた。でもおまえらがひどい目合うんじゃねえかって動きだせなかったんだ。もしかしたらふたりにとっておれが迷惑なんじゃないかって疑った。おれが悪かったんだ…」そう言いながら握ったルフィの手をべろっとなめた。
ルフィは特に感情を見せずにサボをビンタした。
うれしそうに頬をおさえたサボはルフィを抱きしめる。
「エースもほら」
ふたりがおれを見つめる。
おれは汚れた上の服を脱いで抱きしめ部屋の隅で丸まっていた。
2045