遠慮なくいけ「どうしましたか?」
アルジュナが目の前でフリーズしているリツカに尋ねた。
「えーっと……も、もう一回言ってもらっていいかな?」
「えぇ。私の膝枕へどうぞ」
アルジュナが自身の膝をぽんぽんと叩く。
「……アルジュナ、疲れてる? 話聞こうか?」
リツカは耳を傾ける仕草をしながら尋ねた。
「? 私は心身共に問題ありません。話は膝枕をしながら聞きますよ」
「どうしたの? 悪いものでも食べた?」
「いいえ。兄ちゃんの10辛カレーは食べましたけど……何故こちらに来ないのですか?」
「えっ? い、いや、だって……アルジュナらしかぬことしてるから……」
「むっ。私だから膝枕は受け入れられない……ということですか。何故です? カルナの膝枕は受け入れたのに……!?」
「ヘイヘイちょい待ち! ユー何で知ってるの!?」
予想外の事に動揺し、顔を真っ赤にしながらリツカは言った。
「あのお節介が言ってきたんですよ。『疲れてるリツカには膝枕が効く。お前もやってやれ』と。
リツカ、どうして私には言ってくれなかった?
私では力不足なのか?」
アルジュナの目が潤んでいるように見えた。
「そ、そんなことはないよ。アルジュナには……えっと、その……膝枕頼んでいいのか、遠慮しちゃって……」
「遠慮など不要。貴女の疲れは私が滅ぼします。
さぁ、リツカ」
「そ、それじゃあ……お邪魔します」
恐る恐るリツカはアルジュナの膝枕に頭を乗せた。
「……成程。これは良いです」
アルジュナはリツカの頭を撫でながら呟いた。
(……アルジュナ、嬉しそう)
「ではリツカ。最初は耳ふーでいいですか?」
リツカは盛大にむせた(END)