離れられない俺もっと早くこうしておくべきだったんだと思っていた。俺はお前やアイビーみたいに三大魔法学校対抗試合で選手として選ばれなかった。
2人と並んで立つことも本当はなかったはずの人間で、弱くて場違い。
もっと早く、2人と距離をとっておけばよかった。
だって今更離れるのなんて、…離れるのなんて。
「ダニエル。」
「…何か用か、エリオット。」
その手を掴めばもうもとに戻ることなんてできないとわかっている。
「ダニエル」
「ダニエル」
その時2人の声が追いかけてきた。
「どうしたんだ」
「〇〇がダニエルのところに行きたいって。」
「ダニエルすぐ一人になろうとするから心配だよ。傍にいて、ダニエル·ペイジ。友達でしょ」
二人はガッチリと俺の手を握る。離さない、どこにも行かせないと言うように。
「ははっ、わかった。」
俺は困ったように笑う。本当はすごく嬉しいくせして、仕方がないというように振る舞うのだ。