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    summeralley

    @summeralley

    夏路です。
    飯Pなど書き散らかしてます。

    ひとまずここに上げて、修正など加えたら/パロは程よい文章量になったら最終的に支部に移すつもり。

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    summeralley

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    #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負
    お題【嫉妬】

    嫉妬の話書きすぎてて悩んだ……

    #飯P
    #二次創作BL
    secondaryCreationBl

    【飯P】許されるのはただ一人 夕暮れ時、師弟は庭の一角で話し込んでいた。常緑樹の木立が晩夏の陽をやわらげ、吹き抜ける風も心地よい。
     「すみませんピッコロさん、模様替えの手伝いなんて……」
    「お前こそ、とうに一人暮らしなのに大変だな」
     二人にとって、調度を動かすことなど大した作業ではなかった。ただ、チチの注文は細かく、それなりに気疲れしていた。
     「嬉しいです。ピッコロさんがお母さんとも仲良くしてくれて」
    「そうか?」
    「うん……長く一緒に過ごすなら、お母さんと会うことも、多くなるしね」
     身体を寄せて囁いた悟飯に、ピッコロは何か答えようとする。しかしその瞬間、甘やかになりかけた空気を蹴散らすように、二人分の足音が駆け込んできた。
     「あっ、兄ちゃん!」
    「悟天……お前が遊んでばかりいるから、僕が模様替えになんか呼ばれるんだぞ」
    「ハイスクール、忙しいからさぁ」
     舌を出して笑う悟天に続き、トランクスも駆け込んでくる。
     「あれ、ピッコロさん久しぶり! ……なんか、見ない間に綺麗になったね」
    「はぁ?」
     思わぬ言動に、ピッコロは目を険しくした。トランクスはさり気無い仕草でピッコロの片手をとり、手の甲から爪の先端まで指先で静かに辿る。
     「手も綺麗だよね……ほっそりしてて指も長いから、戦う手っていうより、女性の手みたい。爪も綺麗だし……何かケアしてる?」
    「しない、さっきから何だ?」
    「俺にこうされたら、嫌?」
     両手でピッコロの手のひらを包みながら、トランクスが陶然と囁く。嫌かと訊かれれば、嫌がる程のことでもない。とはいえ、居心地が悪い。悟飯以外の誰かに、このようなことを言われ、情感を帯びた触れ方をされるなど……。
     「……な、悟天、分かったか? こうやるんだよ、口説くって!」
    「難しすぎ! 女の子にやるの無理だよ!」
    「だから練習だよ。こうやってさ」
     今度は真横に並んだトランクスが、ピッコロの腰に手を回し抱き寄せようとする。とはいえ、身長差のために、上手くいっているとは言いがたかった。悟天が声をたてて笑い、ピッコロを挟み反対側に立つ。
     「ねぇ、ピッコロさん。ボクと遊ぼうよ、絶対ボクの方が楽しいよ!」
    「ああ、お前はそっちの口説き方が合ってるかもな」
     腰を抱き寄せたトランクスと違い、ほとんど全身で抱きつくように腕を絡めて来る。右のトランクスと左の悟天にまとわりつかれ、「口説く」練習台にされ、困り果てたピッコロは、悟飯を一瞥した。いつの間にか少し離れた樫にもたれ、助け船を出すどころか、微笑ましいものを見るように笑っている。
     やがて二人は満足したのか、ピッコロの身体からぱっと離れた。
     「ボクの部屋でゲームしよっ」
    「悟飯さんピッコロさん、じゃあね!」
     玄関が閉まると、ピッコロは深いため息をついた。悟飯につかつかと歩み寄り、気色ばんで口を開けた。
     「なぜ止めなかった」
    「そりゃ、本気で嫌がってたら止めますけど……前から言ってたでしょう、二人はすぐじゃれつくって。そんなに嫌でしたか?」
     肩を竦めた悟飯は、本当に悪気もなさそうだ。確かに、二人がじゃれつくのは珍しくはないし、居心地は悪くとも本気で嫌がる程のことでもない。しかし……。
     「……そういうことを、言ってるんじゃない」
    「え?」
    「目の前で、おれがベタベタされて……お前は何とも思わないのか、訊いているんだ」
     吐き捨てたピッコロに、一瞬、悟飯は目を丸くした。樫から身体を起こし、ピッコロの腰に手を回し引き寄せる。そろそろ薄暗くなりはじめた小さな林で、大木の陰に身を隠すように、悟飯の瞳ははっきりと熱を帯びていた。
     「嫉妬して欲しいってこと? かわいいなぁ」
     なんだと、と噛みつくように言い返しかけたところへ悟飯の手が伸ばされ、首元へそっと触れる。喉をゆっくりと下り、両方の鎖骨を確かめるように……たちまち、ピッコロは抵抗の気力を削がれる。
     「悟天たちがいくらピッコロさんに触れたって、口説く真似事をしたって……涙ぐむあなたを、寝起きのあなたを見られるのは僕だけ。それにこうして」
     背中側へ悟飯の手がまわり、服の裾から入り込んでくる。背骨を確かめるよう這い上がり、同じ道筋で下ろされた手のひらは腰骨に触れる。
     「ほら、服の中にまで触れられるのも僕だけ。そう思えば、嫉妬なんか湧かないですよ……でも」
     悟飯は目を細め、静かに顔を近付ける。
    「ピッコロさんがそうしてほしいなら、そうしますね」
     軽く唇が重ねられ、腰の手が身体を引き寄せる。触れるだけだった口付けが深くなり、空いた手が、無抵抗のピッコロの手首を掴んだ。
     「じゃあ、行きましょうか」
    「ああ……」
    「こんなところじゃ落ち着かない。僕の家にでも」
     断られないと確信している悟飯の声色は、確かに、誰かに嫉妬する余地などないように聞こえた。
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    summeralley

    DONEネイPのみの番外、🍚ちゃんと出会う何年も前。

    完結済みの、マスター💅と客🍚がバーテンダー🅿️を取り合う連載。ンデちゃん含む全員の番外あるのでぼちぼち載せます。
    これは🅿️がバーテンダーなりたてで、カクテル練習する話。真面目だからバーテンダー修業も頑張ったはず🥹
    【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/サイドカー 元々あまり酒を飲まないから、カクテルというものにこんなにも種類があることに驚いた。ネイルは「覚える必要はない、レシピを確認して作っても構わない」と言うが、よく出るカクテルは嫌でもレシピを覚えてしまう。サイドカーも、そうだ。
     ネイルの店へ立つようになって、四ヶ月経った。あいつは元々、この街へ出てきた時からずっとバーテンダーをやっていたが、おれはまったくの初心者だ。それでも、開店前にあれやこれやと教わって、一通りのことは出来るようになったつもりでいた。実際、これまで客から褒められこそすれ、苦言を呈されたことなどなかった。
     「このサイドカー……なんとなく、味が尖ってる気がする」
     そう言われたのは半月前だ。甘い、苦い、ぬるいなら分かるものの……尖っている? そもそもこの客が、ただの感想を言っているのか、文句のつもりで言っているのか、判別できなかった。なんと答えていいか分からないところに、ネイルが横合いから口を出す。
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