短冊に願いを「さーさーのは、さーらさらぁ」
ご機嫌に歌を歌いながら、色とりどりのペンを使って麻里が短冊に願い事を書いていく。可愛らしい文字で書かれた願い事は、食べたいものや欲しいもの、将来の夢やアニメのヒロインに会いたいなど、子供らしいものばかりだった。
「あらあら、麻里ったらこんなにたくさん書いて」
ふふふ、とその様子を微笑ましそうに眺めていた母が笑う。
「いいじゃないか、可愛いんだし」
隣で見ていた父も、愛娘の可愛らしい姿を見てにこにこと笑っていた。
たくさんの短冊を書き終えた後、突然麻里は真剣な表情で一枚の短冊に一字一句丁寧に何かを書き始める。何を書いているのか母が見ようとすると、ダメ!と止められた。それも、これは絶対に叶って欲しいから明日まで見ちゃダメだよ!と念を押すほどに。
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