晴吉夢小説晴吉夢小説
「ナマエちゃんじゃーん。残業お疲れ様。」
まだ入社してまもない会社での作業に苦戦しながら、残業に勤しんでいると、顔立ちは整っているが少しお腹が出ているという残念な先輩の《晴吉》が声をかけてくる。自分の目の前に置かれたココアは、どうやら彼が買ってきてくれたものらしい。
「ありがとうございます……、晴吉先輩、帰ったんじゃ…」
もうオフィスは電気が消され、仕事の遅い自分一人が残っている状況。まさかまだ自分以外に人が残っているとは思わなかった。買ってくれたものを無下にする訳にはいかないので、温かいココアに手を伸ばし、プルタブを開けようとするが、なかなか上手くいかない。
「可愛い女の子一人残して帰れないでしょ。」
1551