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    高間晴

    @hal483

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    高間晴

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    ぼんど800字。何もネタバレしていませんが本編終了後の時間軸です。ルークに送るものを探してスーパーで買い物するチェズモク。

    ##BOND

    ■夏の北国にて


     久々にヴィンウェイのセーフハウスに帰ったチェズレイとモクマ。大きな仕事がひとつ片付いたし、しばらくの間のんびりしようということになったのだ。
    「モクマさん、洗濯物あったら出しておいてください」
    「はいよ。――じゃあ俺は買い出しにでも出かけようかね」
     そこでチェズレイはほんの少し思案する。
    「――待ってください。ボスにはこの間野菜を送りましたし、今度はヴィンウェイ名物のものを何かしら送りたいので私も同行します」
    「ははっ。チェズレイはすっかりルークのお母さんだねぇ」
     モクマが笑うと、チェズレイはほんの少し目をみはる。それから小さくくすくす笑った。
    「お父さんはあなたですからね」
    「あはは。そうだった」
     二人で笑うと、チェズレイは洗濯機にとりあえずモクマの分の洗濯物を入れてスイッチを押す。チェズレイの服の大半は素材がデリケートなので、あとでクリーニングに出される予定だ。
     それから二人は揃ってセーフハウス付近のスーパーマーケットへ向かった。
     買い物かごを載せたカートを押しながら、モクマはチェズレイの後をついていく。チェズレイは手袋の手で野菜を手に取って見定めてからかごに入れていく。
    「チェズレイ。ルークには何を送るんだい?」
    「そうですねェ……ハーブ入りの燻製サーモンなど、どうでしょうか」
    「お、いいね。そいつは飯にも酒にもぴったりだ」
     チェズレイは笑うと「じゃあ私たちの分も」と言って真空パックの燻製サーモンを二つ、買い物かごに入れる。
    「あとは?」
    「ナッツ類ですかね。気軽に食べられてエネルギー補給にぴったりなんですよ。それにこれはドライフルーツも入ってまして」
    「ああ、昔にこの国へ来たときに食べたことあるけどそれは美味いな。ルークも喜ぶよ」
     レジで会計を済ませると、荷物の大半をモクマが持ってセーフハウスへの道のりをゆっくり辿る。ヴィンウェイの夏は短い。空にはまばゆい太陽が輝いている。
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