嘘か誠か…「実は…私、結婚します！」
4月1日、合同捜査後の飲みの席で私が初っ端に放った言葉に全員が一斉に黙り込んだ。
菅野「え、嘘だぁ！」
由井「泉！嘘だと言ってくれ！何処の何奴だ！奇跡の細胞を横取りしようなんて！俺が全身の毛を抜き取って…」
夏目「夏樹君落ち着いて、玲ちゃんにはエア彼氏しかいないから！孝太郎さんも店がパニックになるからそれしまって下さい」
青山「聞いてないぞ泉！」
朝霧「はい、これは取り調べが必要そうですね」
荒木田「司さん落ち着いて下さい。青山さんも…」
今大路「玲さん、関さんにはちゃんと言った方がいいですよ。自体が飲み込めず処理落ちなさってますから」
関「泉が…泉…」
「ぁあっ！関さん！違うんです！」
服部「ほーん、マトリちゃん、俺との婚約は嘘だったと…」
「なっ‼︎」
更なる爆弾が落とされた。


時は流れ2年後4月1日
この時も年末から追っていた事件が1月頃から捜査一課と合同になり再び打ち上げをしていた。
菅野「そう言えば玲が騒ぎ起こしたのもこの頃だったよな」
「人聞き悪い言い方しないでくれる？」
夏目「いや、あながち間違ってないでしょ？」
青山「由井を抑えるの大変だったんだからもうやるなよ」
朝霧「あの店結局使い難くなりましたしね」
荒木田「気付かなかった由井さんも悪いと思いますけど」
由井「おい、聞き捨てならないぞ！俺はいつも泉に対して全力だ！」
渡部「はーい、玲ちゃんの細胞じゃなくて玲ちゃんに対してレディの扱いしようね」
芝「あははは、本当賑やかだね」
今大路「芝さんまで一緒なんてかなり珍しいですよね」
服部「本当、たまたまタイミングがあったから一緒に来ただけだけどね」
関「たまにでもいいじゃないですか、同じ服部班なんですよね？」
芝「そーだよー、それなのに耀さんったらいけず」
今大路「そう言わずに、お水どうぞ」
渡部「だから今大路くんそれお酒！」
場も盛り上がりみんなが出来上がってきた頃、解散の流れとなる。
今日はまだ終電もあり春くんと夏樹くんに二次会に誘われた。
「いやぁ、私は帰るよ」
夏目「えー、またエア彼氏？」
菅野「そうだよ、エアじゃないなら今度見せてよ」
服部「何？」
夏夏｢｢へ？｣｣
服部「マトリちゃんの彼氏です」
朝霧「何て嘘つくんですか耀さん。玲さんまで固まってますよ」
荒木田「（嘘…か…？）」
由井「なっ！聞いてないぞ泉！」
青山「落ち着け由井、エイプリルフールだ」
渡部「まぁまぁまぁまぁ、ほらタクシー来たから乗って乗って」
押し込まれる様に二台のタクシーに詰め込まれたみんなを関さんと渡部さんと服部さんと見送る。
服部「ま、エイプリルフールの嘘って午前中だけらしいけど」
関「服部さん、ちょっとゆっくりお話いいですか？」



〜1回目の騒動の後の話〜
打ち上げの飲み会どころではなくなった騒ぎに収拾がつけられず、逃げる様に店を転がり出る。
「はぁ…服部さん…なんて事を…」
服部「俺がなぁに？」
「ひぅっ！」
外にはすでにタバコを咥えた服部さんがクックッと笑いながら私を見ていた。
服部「エイプリルフールにしては頑張ったんでない？」
「わ、わかっててあんな爆弾おっことしたんですか⁉︎」
服部「それ以外ないでしょ」
服部さんが目線を向ける店からは迷惑にもなりそうな由井さんの声が聞こえていた。
服部「やれやれ、これ以上は出禁になりそうだ。このお店気に入ってるんだけどねぇ」
「そしたらあの発言取り消せばいいかと…」
服部「おんや？俺とじゃ嫌？」
「エイプリルフールを事実にするつもりですか？」
服部「それはそれで一興だけど、今のままなら課長君が大変そうだ…事実にするかどうかはマトリちゃん次第、かな」