チビ、上げ底を履く「まだ着れてねーの?ネクタイは玩具じゃねぇんだよエドくん?」
「やったことねぇんだよクソが!」
揃いの白いタキシードに着替えたはいいが、いつまで経っても来ないエドの様子をラズが見に来てみれば、こんがらがったネクタイを持って途方に暮れていた。仕方ねーなと首に掛かったグレーのネクタイを解き、ウィンザーノットで結び直す。
エドは手際良く形作られていくそれに感心した。
「お前、見た目に反して案外器用だよな」
「失礼な。飾り切りとか得意だぞ」
はい完成!と仕上がったネクタイからラズの手が離れる。エドは携帯端末で時間を確認し、配られたスケジュール表を思い返すと急いで革靴に足を通した。用意されていた花束を持ってラズと撮影会場まで足早に廊下を進む中、ふとエドは横のラズを見て気付く。
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