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    moriko_ko

    @moriko_ko_ko

    ライズオブザローニンの高主♀︎の小説をアップしております。良かったらご覧ください!

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    moriko_ko

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    pixiv転生者です。
    pixivやめたのでこちらにアップします。
    内容は同じです。

    #ライズオブローニン
    #高杉晋作
    shinsukeTakasugi
    #RiseoftheRonin
    #高主

    芽生える嫉妬心桂から頼まれた任務の完了を伝えに長州屋敷に向かう。

    門を潜り、桂の元へ向かう途中に高杉の姿を見掛けた。

    (桂さんの元へ行く前に少し声を掛けて行くか)

    そう思い、声を掛けようとすると

    「もぉ、晋作様ったら」
    「ははっ」

    高杉の部屋から楽しそうな声が聞こえた。

    1つは高杉本人の声、姿は見えないがもう1つは女性の声だった。

    (客人か…邪魔したら悪いな。今日は桂さんに報告だけして帰るとするか)

    踵を返し桂の部屋へ向かおうとしたところに

    「よお、来てたのか」
    「高杉…」

    不意に後ろから声を掛けられた。
    振り向くと高杉と客人女性の姿があった。

    高杉はいつもの様に腕組みをしている。
    客人女性はそんな高杉に垂れかかるように腕を絡めてこちらを見ていた。

    (絵になる2人だな…)

    そう思い2人を見ていると

    「こちらの方は何方?晋作様」
    「長州が囲っている浪人だ」

    (浪人…確かに間違いではないが…)

    「浪人」と言われ、隠し刀の心はザワついた。

    高杉とはつい最近、比翼の契りを交わしたばかりだった。
    そんな相手に「浪人」と紹介されてしまった。

    (私は客人にそんな紹介しかされない女なのか…)

    「来てくれた所悪いが俺はこれから出かけるから、ゆっくりしていくといい」

    じゃあなと言い残し、2人は屋敷を出て行った。

    すれ違いざまに客人女性が

    「私の方が彼にお似合いではありませんこと?」

    そう耳元で告げた。
    振り返り彼女たちの方を見ると、客人女性は
    意味ありげな視線を隠し刀に向けていた。




    それからはどうしたのかあまり覚えていない。

    任務の報告を桂にした後に逃げるように長州屋敷から、長屋に戻って来た。

    桂にはかなり心配された。

    「君、どうかしたかい?かなり顔色が悪いようだが…」

    (私はそんなに酷い顔をしていただろうか)

    隠し刀は普段から表情に乏しく、感情も表に出さないようにしている。

    そんな、隠し刀が他人に心配されるほどの顔色は余程酷かったのだろう。

    (おかしい…)

    長州屋敷で高杉が女性と一緒に居たのを見てから。

    (綺麗な人だったな)

    白い肌に、綺麗に整えられた黒髪。
    艶やかな着物。女性らしい滑らかな身体。
    白魚のような手。豊かな胸。

    (私に無いものばかり…)

    隠し刀は不意に立ち上がり、洋服を脱ぎだした。
    そして、姿見の前に立ち自分の身体をじっと見た。

    刀傷だらけの身体。薄い胸。女性に似つかわしくない二の腕。

    (高杉はこんな身体を見たのか…)

    隠し刀はあの結ばれた日の夜を思い出した。

    高杉は終始優しかった。
    朝を迎えた時にも

    「……次は、あんたから誘ってくれていいんだぜ?何度だって極楽に連れて行ってやるよ」

    そう高杉に言われた。

    (そのように言われたという事は次もあると思って良かったのだろうか)

    隠し刀はギュっと自分の身体を抱きしめた。

    今まで、どんな任務も怖いとは思わなかった。
    それが、ひとりの男に女の影が有るだけでこんなに心が乱される。

    (怖い…今の私には高杉しかいないのに…)

    自分がどれだけ高杉に依存しているかが、今はっきり分かった。

    『恋は人をおかしくする。お前は隠し刀だ。恋なんてするでないぞ』

    研ぎ師から言われた言葉を思い出した。

    (師の言う通りだ。隠し刀の私は恋なんてするべきでは無かった。こんな感情知らない…)

    姿見に目をやると涙を流している自分の姿があった。

    (私、泣いているのか…)

    それを見て更にボロボロと涙が流れてきた。

    涙を拭こうと、手元にある手ぬぐいに手を伸ばそうとした所

    「おいあんた、どうした?!」

    高杉が長屋に入ってきた。

    (つっかい棒を忘れていた…)

    「そんな格好で泣いて、何かあったのか?」

    高杉が自分の羽織を隠し刀の肩に掛けながらそう話した。

    「……何でもない…。済まないが、帰ってくれないか…」
    「自分の情人が泣いているのに、帰る男がいるか!」
    「いいから帰って!私の事はほっといて…」

    そう言うと隠し刀はまた、涙を流した。

    「本当にどうした?ん?」

    高杉はそう優し囁くと羽織の上から隠し刀を抱きしめた。
    そうされるといっそう涙が流れた。

    「もう、私と別れてくれ…」
    「おい、急にどうした?!」

    隠し刀からの言葉に高杉は声を荒げた。

    「理由は?まさか、理由もなく別れてくれって言っている訳ではないよな」
    「私ではお前に釣り合わない…こんな身体では…いつか愛想を尽かされる…」

    高杉の腕の中で隠し刀は静かに震えた。
    そんな隠し刀を高杉は更に強く抱きしめる。

    「そんな事で俺が愛想を尽かすと思っているのか?そんな訳あるか」
    「……」
    「それに、釣り合うか釣り合わないか決めるのはあんたじゃない。俺だ」

    分かるか?と言いながら隠し刀の顔を自分の方に向かせる。

    高杉と目が合う。

    「あーあ、こんなに泣いちまって…」
    「ん…」

    高杉は指で隠し刀の涙を拭った。
    その指が優しくて、隠し刀はまた涙を流す。

    「高杉…そんなに優しくしないでくれ」
    「情人に優しくして何が悪い?」

    そう言って、隠し刀の額に口付けた。

    (そんなにされると離れられなくなる)

    高杉の優しい仕草に戸惑う隠し刀。
    それに構わず、高杉は隠し刀の額、頬に口を寄せた。

    「あの…女性はどうしたんだ…」
    「あの女性?あぁ、昼間長州屋敷に俺といた女か」

    高杉は隠し刀の問に少し考えそう答えた。
    その後すぐに顔をニヤニヤさせてこう言った。

    「なんだ、あの女に妬いていたのか?」
    「……」

    隠し刀は何も答えない。
    その代わりに、高杉の着物の襟をギュと掴んだ。

    (本当に可愛い奴…。こんなことされたら、ますます離せない)

    「心配するな。あの女はただの情報屋だ。桂さんも知っている」
    「……本当か?」
    「あぁ、明日桂さんにでも聞いてみるといいさ」
    「でも…」
    「なんだ、俺の言う事が信じられないのか?」

    高杉の言う事が、嘘ではないと分かったが、
    昼間言われた事が頭を掠めた。

    「私の方が彼にお似合いではありませんこと?」
    「あの女は長州の囲っている浪人だ」

    そう言ったと言う事は、彼女は高杉に好意を持っているのは違いない。

    「あの女から何か言われたか?」
    「…私の方が高杉に似合っていると言われた」
    「やっぱりな…」

    高杉はそう言ってから、隠し刀を後ろから抱え込む様にしてその場に座った。

    (だって本当にお似合いだった…)

    昼間の並んだ2人を思い出した。
    隠し刀はギュと高杉の手を握った。

    (全く、なんでこんなに自信がないのかね…。俺はこんなに惚れているのにな)

    そう思いながら、隠し刀の手を握り返した。

    「俺はあんたしか見えないし、今後他の女に目移りすることはない」
    「本当に?」
    「あぁ」

    隠し刀は高杉の方に向きをかえ、捨てられた子犬の様な目で見つめた。

    「くくっ、本当にあんたは可愛いな…」
    「誤魔化すな…。あと、浪人と言われたのも、結構傷ついたぞ」
    「悪かった。あの場ではああ言うしかなかったんだ。」

    そう言って、隠し刀の頭を撫でた。
    隠し刀も誤魔化されてると分かっていながら、甘んじて受け入れた。

    「あんたがこんなに情熱的とはな、知らなったぜ」
    「私も、自分がこんなに感情を出せるなんて思わなかった。隠し刀として、感情を出さないように務めていたはずなのに…」
    「俺は大歓迎だがな。ただ、あまり俺以外の男に見せてくれるなよ」

    そう言って高杉は隠し刀を床に寝かせる。

    「何をする…」
    「わかるだろ…今日は朝まで寝かせない…」


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