捨てないで、ベイビー「なんだかなぁ」
遊園地内にあるカフェテリアはポップな装飾が施されていて、テーブルの上ではうさぎ、りす、くまがピクニック中だ。
今日は閑散としているから視線を気せずにいられるが、男が二人で向かい合って食事をしている様はさぞかし浮いていることだろう。
朝から雨が降ったり止んだりを繰り返していて、窓についた細かい水滴のせいで外にいる監視対象が滲んで見える。
遊園地デートには生憎の天気だが、俺の視線の先にいる二人は気にしていないようだ。
ひとりは俺たちの同僚でFBIで切り札と呼ばれている。頭がキレるうえにハンサムで、武術の腕前も射撃の精度も、ヤツの右に出るものはいない。
そんな男と手を繋いでいるのはエレメンタリースクールに通っている年齢の美少年だ。
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