きっと、ずっと……理解が、できない。こいつが言っていることはかなりの頻度で理解ができないが、そういう「訳が分からない」ではなく、脳がそれの意味を咀嚼することを拒んでいた。頭が真っ白になって、何も考えられない。それなのに、そいつは。……ただただ、俺を見つめて笑っていた。
「ひかる?どうしたの?」
どうしたの?じゃねぇよ。なんでそんないつも通りなんだよ。そう言いたかったけど、喉から声が出ていかなかった。まるで首を絞められているかのように苦しくて、変な掠れた音だけが耳に入る。
「……は、?」
「さっき、言った通りだよ。俺は消えないといけないんだ。……いや、俺の身体ってサ終したパソコンみたいでさ!ウイルスにはとことん弱いし、身体が持たなくて!」
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