逃げないで「わたしは、あなたがわからない!だって!何も教えてくれないでしょう!」
喧嘩のたびに癇癪を起こす🌸
「どうして練り物が嫌いなの?なんで半助と名乗る前のことを教えてくれないのどうして酷く怯える夜があるの?ねえ、どんな人と夜を共にしてきたの?…私のこと、どう思ってるの…?」
「愛しているよ。いつも言っているじゃないか」
泣き出しそうな🌸を優しく抱きしめて、諭すように囁いてくる。
それはまるで、甘い毒のようだ。
「なら!何かひとつでも、教えてよ!」
🌸がヒステリックに喚けば、diは困った様に眉根を寄せる。
「君にもいえない秘密くらいあるだろう。」
「それは…」
「当たり前だよ。私達は忍びなのだから。だから黙って愛し合おう。言葉も昔もなく、ただ心と体を重ね合わせる…それじゃ、だめかい?」
問われ、🌸は言葉を詰まらせた。
だめ、と言ったら。あなたは私から離れていってしまうでしょう?
「ずるい、どうして私の愛を人質にするの…酷い人」
言って、🌸はついにはらはらと泣き出した。こぼれる涙を見て、diはきつく🌸を抱きしめなおす。
「ごめんね。わたしは狡く酷い人間だ。君を騙して苦しめても、君を離したくないんだ」
全てを知れば、君はきっと幻滅しどこへ逃げてしまう。
愛が深くなるほど、その思いが強くなって臆病になる。
だが🌸は愛が深くなるほど、その態度に壁を感じてしまう。愛を疑ってしまう。
すれ違う2人の着地点がわからない
おねがいどうか逃げないで