平民ギルベルト×(没落)王族ルートヴィッヒ「ルッツ!」
連絡が入り急いで駆けつけると、頭に包帯を巻いたルッツがベッドの上で横たわっていた。顔色は血の気を失ったように青白く、傷が痛むのか眉間にシワを寄せとても苦しそうだ。
「なんでこんなことになってんだよ!相手は誰だ!あ?!」
「ここで怒鳴っても仕方ないでしょう、このお馬鹿さん。怪我人のことも考えなさい。」
「っ!・・・・坊っちゃん、いい加減俺に教えろ。なんでこいつばっかこんな目に会わなきゃなんねぇんだ。」
ローデリヒの顔が曇る。そして、なにかを決意したように淡々と俺に説明しだした。
「と言うことです。なのでこの子が狙われるのは、それだけの利用価値が残っていると言うこと。護衛をつけなさいとあれほど言い聞かせているのですが、自分の身は自分で守ると言って聞かず。王政がなくなった今、自分には身に余るぐらいだとも言っていました。」
そのままにはしておけないので、密かに護衛をつけていたのですが、今回はその留守を狙われたようでーー。
聞き慣れない言葉が耳を掠めた。王政?護衛?確かに育ちの良さそうな身の振る舞いをしていたが、よくてどっかの貴族様が没落でもしたのかと思っていた。それがまさか今は亡き国王の親族だと?