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    くろさき

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    くろさき

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    声が出なくなった友也とそれを励ます一彩

    突然始まり突然終わります
    短いのでタイトルはつけていません

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     ーーー心拍数が急激に上昇する。ひとつひとつの拍動が身体の端っこまで波のように響き渡り、ぐるぐると巡る血液が沸騰したみたいに熱くなる。それに伴い、なんだか呼吸すら促迫してきたみたいだ。そのためだろうか、息切れがする。回数ばかり稼いで意味を成さない呼吸のせいで、心なしか視界がチカチカして光が飛ぶような感覚さえする。


     友也は今、日本の様々なアイドルが集まる大型イベントのオープニングアクトをESを代表して、ソロで任されていた。以前このライブの主催のプロデューサーがRa*bitsの街頭ライブを偶然観ていたらしく、そこで歌って踊っていた友也のパフォーマンスに目を奪われたらしい。それで今回は是非とも自分が主催するライブに出演してほしいとわざわざ依頼をしてきたそうだ。英智はそのプロデューサーと顔見知りとのことで、英智の元へ出演オファーの連絡が届いたようだが、あまりにも熱烈な依頼内容のメールだったそうで、中身を拝見したらまるでそれはラブレターのようだったとからかい半分で友也のもとへ知らせに来ていた。



    まわりを見渡すと、そこには確かに巷で話を聞いたことのある言わば“テレビの向こう側”のアイドルグループやソロアイドルなど高名な著名人ばかりが揃っており、友也はこの空間に全くと言っていいほどに馴染めやしない。肉眼で初めてお目に掛かる有名人に初めこそワクワクと心躍らされていたが、ふとした瞬間に我に返り、今の自分の置かれている状況に肩を窄ませて萎縮するばかりである。今回友也はソロでこの場所に呼ばれている。そのため右を見ても左を見ても、自分の周りには全く安心できる顔が居ないのだ。そんな中で自分は先頭切ってステージへ上がらなければならない。前座なんだからそんなに気を張らなくてもいい、と上の人からアドバイスを貰ったものの、その言葉は友也にとっては何の救いにもならなかった。

     そろそろリハーサルが始まる。演目順にそれに関わるスタッフや出演するアイドルが呼び出され、それよりも早くに友也がステージへと案内される。スポットライトを一点に浴びて、その向こう側に見える観客席は、あまりのキャパシティの大きさに圧巻されるばかりだった。それに比べると自分の存在がとても小さくて無力のように感じる。背中にゆっくりと伝う汗がやけに心地悪くて、ぞわりと身震いする。マイクを握る手に力がこもった。小さく震えるその手は何度言い聞かせても落ち着きを取り戻せないままで、そんな状況の中でよく聞き馴染んだ自分のソロ曲の演奏が始まった。リハーサルなので観客席には音響スタッフを除いたら誰1人として姿が見えないはずなのに、まるで溢れかえる程の大勢の観衆から一心に凝視されているかのようなプレッシャーが一気に降り注いだ。

    「っ!…」

     いざここで歌い始めという瞬間、周りのスタッフは不可解な面持ちで友也を注視した。そして音楽を一旦止めるよう指示する声、音響テストと言ってざわざわと動き始める人の影。友也のことを怪訝そうに伺ってじりじりと詰め寄ってくるスタッフ。

    「真白さん…歌いはじめのタイミング、一緒に何度か調整しましょうか?」

     友也の顔色を窺って首を傾げるスタッフは、マイクを握りしめたまま茫然と瞳を見開いて、照明の熱のせいなのかダラダラと大汗を流している友也が、あまりにも真っ青な顔をしているので思わず息を呑んだ。

     友也はひどく困惑していた。バクバクと鳴り止まない心臓が口の中から出てきてしまいそうだと思った。今自分に起こっている状況を上手く伝えるために喋ろうにも、口からはまるで声が出ないのだ。喉を通って外へと伝わる振動が、音となって出てきてくれない。そのため、目の前にいるスタッフを真っ直ぐ見つめることしか出来ずにいた。

    どうやって声を出していたんだ?
    歌ってどうやって歌うんだ?

     この圧倒的アウェーの状況が、まるで友也をひとりぼっちみたいに思わせてしまって苦しくて、あまりにも酷く淋しい。心の底から頼りに出来る存在がいない中で、どうすることもできずに友也は思わずしゃがみ込んでしまった。せめてもの逃げ道にと、まぶたに力を込めてぎゅっと視界を遮った。こんな事をしても、どこか他の安心できる場所へ瞬間移動が出来るわけでもなければ、今置かれている状況を打破できる術など何も無いと言うのに。そんな友也の様子にただならぬ異変を感じたスタッフは一旦友也を楽屋へと連れ戻していた。


     極度の緊張からくる心因性の失声症だと言われた。
    街の小さな規模の医療施設のため、さほど詳しい検査をしたわけではないのだが、言葉を発せられない中でどうにか身振り手振りで状況を伝えて医師や看護師からのヒアリングを経由し、最終的に淡々と告げられた診断名はまるで耳馴染みがなくて、今まで全く聞いたことのないものであった。診断がつく頃にはESのプロデューサーが駆けつけてくれて、見慣れた顔にほっと胸を撫で下ろした友也であったが、それでもやはり友也の口からは何も紡ぐことが出来ずにいた。

     ただでさえ肩身が狭かったのに、更に押しつぶされそうなほどに心苦しくなりながら、今回の出演は友也の体調不良ということでキャンセルとなった。プロデューサーが電話越しで今回縁を持ちかけられた主催のプロデューサーへ出演辞退の連絡を入れている声が友也の耳に届く。あのひとりぼっちのステージに立つプレッシャーがストンと音もなく消えたのと入れ替わるようにして、背中にずしんと重くのしかかってくる罪悪感。もうここから早く消えて無くなってしまいたい。がっかりと肩を落として意気消沈する友也とは裏腹に、スマートフォンを耳に当てがいながら友也の身を案じるプロデューサーは、どうしたものかと今後のことを考えては思い悩んだ。

    「帰りましょうか、友也くん」

     まるで子うさぎのように小さく縮こまって不安げな様子の友也を、少しでも安心させるためにも優しく声をかけたプロデューサーは、力なく頷いてみせた友也の背中をそっと支えて、数分前に呼びつけていたタクシーへと共に乗り込んでいく。

     車窓から見える街の景色は車のスピードと比例して次から次へと後ろへ流れていく。ぼんやりとしながら街並みを流し見していると、なんだかまるで自分がどこか違う世界に迷い込んだみたいな、ふわふわと浮ついた不思議な気持ちになってしまう。

    これは夢?それとも何かの冗談か何かだろうか。

     落ち着きや冷静とはまた違う、自分を外側から客観的に眺めているみたいな奇妙な感覚。この手もこの足もまるで自分のものではないみたいに思える。そのままぐったりと脱力して車のシートに身体を預けると、このままずぶずぶと底まで沈んでしまうのではないかと思うくらい身体が重だるい。緊張の糸が解けたのだろうか。心なしかまぶたも重たくなってきて、そのまま友也は窓に頭を預けて心地よい車の振動の中で眠りに落ちた。

     ESビルに戻り、いつもの風景が友也の周りを取り巻いて安堵する気持ちとは裏腹に、一向に曇った表情が晴れないままの友也は、プロデューサーに軽く会釈をしてから自室へと足を進めた。ひとまず今日は一旦予定を全てキャンセルしたので、プロデューサーから身体を休めるために部屋で療養するように言われたのだ。心因性というならば、きっと安心する場所で落ち着いて過ごしていればいつの間にか平然と治っているかもしれない。好きなものを食べて自分のしたいように過ごす。はたまた安心できる人物のそばに居たっていいだろう。具体的な治療方法があるわけではないので、今はそれに縋るしかないのだ。

     友也が自室の前まで来て扉に手をかけた時、向こうから軽快な足音と共に自分を呼ぶ声が聞こえた。その声に聞き覚えがある。会いたいようで今は会うのを躊躇ってしまうその人物を脳裏に思い浮かべながら、ドアノブを軽く捻る手をそのまま、顔だけ声が聞こえた方へと振り返ると、案の定想像していた通り一彩がこちらへと駆け寄ってきていた。

    「真白くん、もうライブは終わったのかい?一人でステージを任されたと聞いたから居ても立っても居られなくてね!プロデューサーが戻っていたからもしかしてと思って来てみたんだ。どんなライブになったのかな?」

     友也がライブのオープニングアクトに選ばれたことを自分の事のように嬉く思い、捲し立てるようにして問いただす一彩は、友也からの返答を今か今かと目を輝かせながら待っている。一方の友也は状況が状況であるので、どんな言葉を並べれば一彩に上手く伝わるのだろうかと眉を顰めて苦い表情を浮かべる。

     自分の言葉に何やら怪訝そうに顔を歪める友也が一向に何とも言葉を発しないので、一彩はまさかライブが満足のいく結果にならなかったのかと思い、こうして友也に直接感想を聞きに来るべきでは無かったのだろうかと少し後悔する。でも友也に限ってそんなとこは無いだろう。一彩はこのライブに向けて友也がどれほど自己練習を重ねて来たのか知っている。時々一彩の元へアドバイスを求めて訪ねてくることもあり、一緒にレッスン室で籠って試行錯誤を繰り返して汗を流したこともあった。頼られたことが純粋に嬉しいのもあったし、友也とこうして共に過ごす時間が増えるのが楽しくて、流れていく時間の速さを恨めしく思ったものだ。

    「…もしも今日のライブが納得のいくものでは無かったとしても、真白くんが頑張って来たことは僕がよく知ってるよ!だから、そう肩を落とさないでほしいんだ。」

     友也の肩に落ち着かせるように手を置いて、出来る限り友也の気持ちを尊重しつつ、自分で良ければ友也の気持ちのフラストレーションの吐き出し口になろうとそっと寄り添った。なんだかやつれてしまったかと思わせるくらい不安げな表情をしている友也が、一彩のことを見上げてそのまま考え込んでしまった。自分はそんなに悩ましいことを言ってしまっただろうか。いつもならすぐに明るい声が聞こえて来てもいい頃なのに、一向に耳に届かないその声色に一彩もどうしていいのか分からずにいた。

     思いついたかのように目を開いた友也は、おもむろに自分のポケットを漁り始め、取り出した自身のスマートフォンのメモ機能に何やら打ち込み始める。突然のことで一彩の方も目を丸くしながら、友也の動向を見守る。そう時間はかからず、友也が自分のスマートフォンを一彩の眼前へとずいっとかざした。

    “声が出なくなっちゃった”

     画面に映し出されたその文字を一彩が目で追う。読み終わって友也の方へと目線を移した一彩の表情は、やはり友也が危ぶんでいた通りに不可解そうな顔をしていて、首を傾げてまるで信じられないというかのように黙ってしまった。





    「そんなことがあったんだね。頑張りすぎただけだよ、きっとすぐに元に戻るから心配せずにゆっくり過ごそう。」

     あれから何度かスマートフォンのメモ機能で筆談のような形で一彩と会話のやり取りをし、どうにか今の状況を一彩に理解してもらうことができた。案外素直だからか、そんなわけ無いと突っぱねられることもなく今の友也の置かれている状況を受け入れてくれた。立ち話も不躾なので友也の部屋へと招き入れ、ベッドへ腰掛ける。友也から一人分ほど空白を開けて一彩が腰掛けて、少しだけ向き合うような形で間合いをとった一彩は、友也から向けられるスマートフォンの画面を一生懸命に眺めながら優しいペースで問いかけを繰り返す。

    「話では聞いていたけど、このESを代表して真白くん一人が選抜されたと聞いた時は驚いたし、喜ばしいことだと思ったんだ。でも、それよりも真白くんが心細くなってはいないかなと少し心配になったよ。知らない場所に一人で向かうなんてなかなか勇気が必要だからね。」

    “勇気どころか腰が抜けて声が出なくなるなんて情けなさすぎてもう二度とあのプロデューサーのもとへ挨拶にいけないよ”

    「今回は仕方なかっただけだよ。また元気になってライブに呼ばれた時には、倍以上のパフォーマンスをすればいいさ。みんな真白くんに期待してるからこそなんだろうからね。」

    “その期待が今の俺には荷が重すぎるんだよ”

     ユニットのリーダーであることに少しずつ慣れて来た。胸を張ってリーダーだと、ユニットの顔だと言えるようにはなってきたのだが、その他の部分でこれと言って秀でたポテンシャルが揃っているわけでは無いと友也は思っている。きっと考え直せば自分の代わりになるアイドルなんていくらだっているのでは無いかと卑下してしまうくらいに、周りの存在が大きすぎた。あまりなもちっぽけで頼りなさそうな自分が情けない。そんな状況で一人で歌い切れるはずがないのだ。

     友也の表情が不安のあまり今にも泣いてしまいそうだと思った一彩は、思わず友也を引き寄せて抱きしめる。赤子をあやすかのように背中を優しい力で規則正しく叩いて、そっと声のトーンを落とした一彩は友也へと語り始める。

    「真白くんの代わりなんて誰にも務まらないよ。ずっと一緒に練習して、そばで見てきた僕が言うんだから信じてほしい。それに今までもこれからも僕は真白くんのことをずっと尊敬しているから、だから真白くんにはしっかり胸を張って、たくさん笑っていてほしいんだ。」


     優しく言い聞かせるかのようにして伝えられた言葉は、友也にとっては身に余るものばかりで、それでも縋ってしまいそうになるほど説得力のあるものだった。一彩にそんなふうに言われたら、なんだか安心してしまい思わず涙が浮かんでしまいそうになる。少しずつ歪んでいく視界で、溢れてしまわないようにと一生懸命平静を保ち唇を噛み締める。一彩は自分が欲しい言葉をたくさん与えてくれる。まるで友也の心を覗いてるかのように、どんな事を言われたら喜ぶのかをわかっているみたいだった。その優しさに浸ってしまって自堕落な状況になってしまいそうで、ダメだと分かっているのに、どうしても今は心までもが一彩へと傾いていた。

     友也は抱きしめられた温もりにそっと体重をもたれかからせて、深く息を一つ吐いた。どうしたって他者からの評価が物差しとなり、大きな壁となってくるこの業界。絶望の淵に立たされる事を経験して、心が折れてしまいそうになったところで、一彩が友也の手を掴んで明るいところまで引き寄せてくれた気がしたのだ。今だけは、この優しさに浸っても許されるだろう。

     抱きしめられている一彩の肩に顔を乗せるようにしてもたれた友也に、ふと一彩が小さくだが笑ったような気がした。どうしたのだろう、くすぐったかったのだろうかと思い、顔を上げて見上げてみると少しだけ目を細めながらもなんだか上機嫌な一彩が友也のことを見つめ返している。そんな一彩に、友也はまるで意味がわからないと言った様子で眉をひそめて首を傾げた。

    「…僕は経験したことがないから分からないけれど、声が出ないってとても焦るし不安だと思う。誰しも経験したことのないことは恐怖だからね。それでも今はなんだか言葉じゃなくて、表情とか目とかで真白くんと会話できてるみたいな気持ちになって、少しだけ嬉しいって思ってしまったんだ。ごめんね、真白くんはとても辛い思いをしているのに。」

     顔を上げた友也を見つめる一彩の瞳も、今は同じようにとても優しくて温かい。普段当たり前にコミュニケーションのツールとして第一に使われる“言葉”。今はそれが使えない状況というのに、それでも何故だか一彩とは言葉が、声がなくたってまるでテレパシーみたいに心の中が通じている気がして不思議だ。

    「前に真白くんは僕のことを天才だと言ってすごく褒めてくれたよね。僕はそんなに優れたものは持っていないけれど、それでも真白くんにそう言ってもらえて、とても勇気が出たんだよ。真白くんにはたくさん救われてるんだ。だから、そんな僕が今少しでも真白くんの力になれているのだとしたら、とても嬉しいことだと思うよ。」

    一彩は嬉しそうに頬を染めてそう言った。そのまま甘えるように、頬擦りするように、友也の白い頬に自分の頬をぴったりと触れ合わせて、「いつだって僕のことを一番頼りに思って欲しいんだ。」と満足そうに心を弾ませながら、呟くように言った。


    “俺も天城にじゅうぶん救われてるよ”


     どうして今、俺は声が出ないのだろう。先ほどライブ会場で声が出なくなってしまった時よりも、今の方がもっと焦燥感に駆られてしまっているような気がする。なんだかこの言葉は、絶対に一彩に伝えなければならないと思った。心の中でぼんやりと浮かんだその言葉は、声が出ないので一彩へ直接伝えることは出来ない。それなのにどうしてだろう。一彩はそんな友也に応えるかのように小さく笑って、抱きしめる腕の力を少しだけ強めた。




     あの後というもの、一彩といろんな話をした。話をしたと言っても喋り続けるのは一彩だけで、友也はそれに相槌を打ったり笑ったりしていた。そのおかげなのか、時間の経過とともに心がふんわりと軽くなった気がした。そうこうしているうちにそのまま夕方になり、名残惜しそうに部屋を出た一彩を見送ってそのまま部屋で休んだ次の日。朝目が覚めると昨日のことがまるで嘘だったかのように声が出るようになっていた。声ってこんなふうに出すんだな、と確かめるように何度か小さく声を出して、改めて声を出せることを実感して感動のあまり目尻に涙が滲んだ。

     声が出せる。今はたくさん自分の気持ちを言葉にして伝えることができるんだ。プロデューサーには迷惑をかけてしまったから、状況の報告も兼ねて謝りに行かなければ。昨日のライブのプロデューサーにはまた機会を伺ってから伝えに行こう。

    「…天城、今日何してるかな。」

     ふと一彩の存在が頭に浮かんだ。昨日は自分を不安にさせないようにとたくさん笑ってくれて励ましてくれた。ひとりぼっちじゃないんだと感じさせてくれた。沸々と湧き上がる想いで胸がいっぱいになり、声が出ることをいちばんに伝えたくて姿を探す。換気のためか開いた窓から吹き込む風は少し温かくて、太陽を遮る雲は一つも見当たらない。そのせいか気持ちまでもが透き通るように朗らかで、軽やかな足取りでビルの廊下を駆け巡る。すれ違う人伝いで居場所を聞いて、会いたい背中を無事見つけ出した。

     なんて声をかけようか。きっといきなり声をかけたら驚くだろうな。だけど、きっと一彩は友也の気配にすぐに気付いてしまう。振り返って、またいつものように名前を呼ばれるのだろう。それでもまさか声が出るなんて思ってもいない筈だから、それに自分が何食わぬ顔で返事をしたら絶対驚くに違いない。
     少しずつ近づいていく背中に、いたずらっ子のような気持ちで思いを馳せながら、勢いをつけて思い切り飛び込む。きっと受け止めた一彩は驚きで目を丸くするだろう。そんな一彩から一番に発せられる言葉を想像しながら、友也は小さく笑みを溢した。


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