Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    stickey_game

    @stickey_game

    @stickey_game

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 63

    stickey_game

    ☆quiet follow

    #拓歪1h
    +40分オーバー&ちょっと遅刻してしまった!
    お題【愛情表現】【秘密】
    拓歪の愛情表現の違いの話✨
    (本番は全く無いけど匂わせ程度に🔞あり)

    『愛情表現』『秘密』 Side:面影
     澄野の愛情表現はとてもわかり易い。喜怒哀楽、ころころとよく変わる表情を見せながら全力でこちらに気持ちをぶつけてくる。
    「好きだ」と少し照れながら耳元で囁き慈しむように手を握りこちらをときめかせたり、そのまた別の日には面影のことを無言で抱きしめ離そうとせず甘えてきたりする。
     キスひとつとってもそうだ。触れるだけのキスを擽るように何度もしてきたかと思えば、噛みつき貪り荒々しく獰猛に奪ってくる時もある。
     子犬のように可愛らしく、かと思えば雄々しく大胆に接してくる。
     顔を赤く染め照れながら優しくこちらに触れてきたかと思えば、熱い視線でこちらを捉え逃さない。

     ──カワイイなあ、澄野くん

     澄野からの愛情表現を受け取るたびに面影はそう思っていた。澄野の言葉が、仕草が、態度が、面影の中で愛おしさをどんどん募らせていった。
     だというのに面影自身は上手く言葉にできないでいた。気持ちが募れば募るほど、自分の気持を吐露するのに羞恥心が混ざっていく。
     情事に誘うのも、澄野の手によって乱れるのも、痴態を晒し艶やかな声を漏らすのも平気だと言うのに、気持ちを言葉に乗せることだけはどうにも上手く出来ない。いやらしい言葉は幾つだって口に出来るのに「好きだ」のたった三文字が声に出せない。
     澄野はいつも優しく丁寧に抱いてくる。時折たかが外れて激しくこちらの身体を揺さぶる時もあるけれど、いつも最後は「愛してる」と熱い言葉を面影に落としてくる。それに対して面影は「私も…」と小さな声で返すのが精一杯だった。
     今夜も何度も熱く深く愛しあい、多幸感溢れる気怠さの中、澄野がウトウトと微睡んでいた。澄野が眠りに落ちていくのを見守るのが面影の最近の習慣になっている。甘い雰囲気を纏わせながらゆっくりと夢の中へと落ちていく澄野をただ静かに見守っていた。そうして規則正しい安らかな寝息が聞こえてくるのを待ち、それが聞こえてきたら頬に触れるだけのキスを送りそっと囁くのだ。
    「好きだよ、澄野くん」
     きっと聞こえてはいないはずだ。密かな愛情表現、それすらも羞恥心に苛まれ面影はすぐに布団の中へと身を隠した。
     ──どうかばれませんように。
     今日もそう願いながら面影は眠りについた。



     Side:澄野
     きっと面影は愛情表現が苦手なんだろうな、と澄野は思う。煽ったりこちらをからかったりと口達者な面影だが、こちらが「好きだ」と伝えると恥じらいながら静かにこちらを見返し「私も」と応えてくれる。頬を染め恥じらうその姿、普段他の誰にも見せないその顔を澄野は可愛いなと心から思っていた。淫らにこちらを煽り艶やかな声でこちらを誘ってくるのも勿論いいのだが(まあ、抗えるはずもなくそこは素直にこちらも応じてしまう。仕方ない澄野の下半身は正直なのだ)、白い肌を赤く染め潤んだ瞳でこちらを見返してくる面影は何度みても堪らなかった。だから、何度だって澄野は面影へ愛の言葉を送る。こちらも恥じらいの気持ちが無くもないが、それよりも恥ずかしそうにだが嬉しそうにはにかむ面影の表情が見れる方が嬉しかった。
     情事の際も出来るだけ丁寧に優しく抱いた。面影があまりにも艶やかすぎてたまに熱くなってしまうこともあるが、事が終わった最後は必ず「愛してる」と伝えている。この時の面影の表情がまた、堪らないのだ。情事の名残で上気した身体に生理的に潤んだ瞳。痴態も恥部もそれ以上のものだって晒すのは平気な癖に、愛の言葉は恥ずかしくて「私も…」と返すので精一杯になっている面影の表情が本当に堪らない。つい、もう一回と昂らせてしまうことも少なくない。
     今夜も何度も熱く深く愛しあい、多幸感溢れる気怠さに包まれながら澄野は心地よくうつらうつらとしていた。本当はこのまま意識を手放したかったが、目をつむり呼吸を整え静かに気配を探る。しばらくすると──
    「好きだよ、澄野くん」
     聞こえるか聞こえないかの声と共に頬に柔らかな唇の感触を感じる。
     可愛い、なんて可愛いんだ!本当はこのまま面影を抱きしめてしまいたかった。不器用な面影の秘密の愛情表現。初めてこんな可愛らしいことをしているのに気づいてから眠るふりをして待つのが密かな楽しみになっていた。きっともしバレてしまったら面影は羞恥心に苛まれもう二度とやってくれないだろう。
     ──バレている、ということがバレませんように。
     今日も幸せを噛み締めながら澄野は眠りについた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💖💖👏💖🙏❤❤❤❤💖☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    たなかんぼ

    DONE仲間に祝福される、付き合って数年目のクリテメ
    AIUE.かなしい、つらい、くるしい。くらくてつめたい。だれもいない。だきしめてほしい。
    ……あいしてほしい。





    孤児時代、来る日も来る日も飢えと戦っていた。その名残か現在まで食は細いまま。汁菜を好み、口をつける。ひとくちは小さく、消化の速度も遅い。仲間内では比較的ゆっくりと食事を摂るほうだった。最年長のオズバルドと並び、互いにぽつりぽつりと本の内容を確認したり、時には無言で終えたりもする。

    旧友を失って、恩人を失った。その事がより一層食欲の減退に拍車をかけていたのだが、キャスティやオーシュットがやれ健康だの干し肉だのと構うものだから、観念してゆっくりながら量を摂ることに専念していた。
    皆、心配してくれているのだ。その心に報いたい。だが困ったことに胃袋はスープ一杯で満腹を訴える。我ながらほんとうに小さくて辟易するが、こうなるともうひとくちも食べたいとは思えない。口に物を運ぶのが億劫になり、喉奥からははっきりとした拒絶が聞こえる。はあぁ、と深いため息をついて器に盛られた薄切りの肉を持ち上げては置くことを繰り返している。行儀もよくないので、今日のところはギブアップを宣言しようとした時だった。
    3788

    kuriteme_tobe

    DONE折角だからイベント的な話をと思い、「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃう」を言わせたくて書いたはずなのに、🐏が👁️を大好きな話になってしまいました……。ふんわりED後みたいな世界ですが、息をするようにifです。ハロウィンは噛み砕いて違和感ないくらいに落とし込んだ(多分)他、細かいことを好き勝手に設定しています。付き合っている二人。
    Happy Halloween 年に何回か行われる、ストームヘイル周辺の魔物狩り。去年はあたたかい時期が長く、木の実や小動物の生育が例年より活発だった。お陰でそれを餌にする魔物たちが爆発的に増え、二週間強で終わるはずが二月近くかかる事態になっている。生態系のバランスが崩れれば、この地の種の存族も危ぶまれるし、旅人の命も脅かされかねない。夏の終わりより始まった討伐が完了した頃には、頬を撫でる風に冬の気配を感じるようになっていた。
     順調に事が進んだのなら、山の裾野まで広がる赤、黄、橙といった色が鮮やかに交じり合う様を、恋人と一緒に楽しみたかった。弁当を用意して山道を歩くのもいいだろう。忙しい人だ。料理をする姿はあまり想像つかないから、僕が準備したっていい。獣肉にスパイスと小麦粉をまぶして揚げ、溶いた鶏卵には調理料を混ぜて焼く。頑張って作った料理に、すらりとした指が絡んだフォークを彼が突き立て、僕の口へ運んでくれるのだ。想像すれば幸せなぬくもりで胸が満ちるが、今年は叶うことのない願望である。この地の冬は早い。風が冷たさを孕み始めれば、あっという間に凍える季節が到来する。二人の予定を合わせて自然を満喫するなど不可能に近い。下手をすれば、真っ白な世界に囚われて遭難しかねなかった。
    3504