Funny Merryルシファーがアラスターの部屋を見上げていると、窓から侵入しようとする使い魔がやってくる。ルシファーはそれを捕まえる。使い魔はアラスター宛ての手紙を持っており、渡しに行く口実にスキップしながら部屋の前へ
knock knock knock
アラスター? 君に届け物だ
まったく、勝手に窓から入ろうとするなんて失礼な奴だ
誰からです?
ええっと、ゼスティアル……?
アラスターはつかつか歩み寄って手紙を受け取ろうとする。ルシファーは嫉妬からひょいと手首を持ち上げて咄嗟に拒否してしまう。その後、ぽん!と使い魔をアヒルにして手紙にのせ手渡す
アラスターはアヒルを投げ捨て、ルシファーが捨てられたアヒルを両手にのせて落ち込む姿を楽しむ。ペーパーナイフを取り出すアラスター。
あー、そのー、どんな関係なんだ?彼とは
文通相手です
そうかそうだったか!文通相手ね!文通ーー文通?!!
彼はなかなかセンスのわかる人です。少々古めかしいきらいがありますが、詩も悪くない
ななな何を言ってるんだ? 君達はまるで恋人のように詩を贈り合っているとでも?
手紙で詩を送るのが恋人なら、私には実に沢山の恋人がいるようです。ニャハ!
アラスター、それはよくない。恋人は一人にすべきだ。それに実力がある方がいいんじゃないかね?(突然立ち上がり、胸を張ってアピール
陛下の歌とダンスはマスタークラスですが、手紙の口上や社交のレベルも高いとは実に興味深い!ぜひとも読んでみたいものですね
いやあ、その、あー、君はジャズが好きだっただろう? 手紙よりもスコアの方がいいんじゃないか?
おや聡明な陛下はジャズのスコアをお持ちで?
ああ!私は何でも持ってるからね!確か良いのがあったはずだ(消え失せる
※ゼスティアルとカフェでコーヒーブレイク中
いつもより機嫌が良いようだ
ええ、とびきりのジャズのスコアを探してくれる恋人がいるようです
ほう、それは是非とも見てみたい
手に入ったらお見せしましょう
愉快げに二人は笑いあう
※オチ
ジャズは原曲スコアを元にその場の空気に合わせてテクニックで即興するため、基本的にはスコアは存在しない
※設定
・このアラスターは自称恋人達が蛆のように湧き、勝手にいがみ合って自分を中心に混沌の舞台を見せてくれるので放置しその場を愉しむ。責任を取るつもりはない。
・自称恋人放置の入れ知恵をしたのはゼスティアル
・ゼスティアルもまた自称恋人を名乗り茶番に付き合うという体でアラスターの近くにいる。二人がいると誰も近づかないのでアラスターは触られず気楽。
・ルシファー(とvox?)はそれを後から知って更に発狂する
この更に下に片想い拗らせvoxを入れたら完全な道化にしかならないけれども、ちょっと見てみたいような気も……