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    みよよ

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    みよよ

    MEMO支部に置いてたのもこっちに入れとこう。後でお絵描きしたい転生現パロオバのメモ
    俺は大学の研究室で、ノートに小説の案出しをしている。ここはバデーニさんの研究室で、向かいに座る彼はパソコンのキーボードを叩いている。

    バデーニさんと再会したのは、大学1年の冬。念願の大学に通えるようになったところまではよかったが、奨学金だけでは生活を賄えるわけもなく、バイト三昧の日々。息つく暇もない生活に疲弊していたところ、レポートの資料を探しに立ち寄った構内の図書館で出会った。
    バデーニさんには言っていないが、俺は彼がこの大学にいることを知っていた。幼いころから星空を眺めるのが好きで、自然と宇宙や天文の文献を漁るようになり、その中でバデーニさんの著作を見つけた。著者近影と共に、この大学に在籍していると書いてあった。進路を決めるときに、自分が希望する学部があったことはもちろんだが、彼に会えるかもしれないと思ったことも決め手の一つだった。入学して、彼に会いに行こうとも思ったが、そうはしなかった。もし前世の記憶なんていうものが俺にしかなかったら?彼が俺を覚えていなかったら?実際に会える距離にバデーニさんがいると思ったら、それまで考えようとしなかった不安が押し寄せて足が進まなかった。構内でよく話題に上がる人だったから、噂話なんかはよく耳に入ってきた。バデーニさんの研究が学会で評価されているとか、単位がもらえないとか、内容は様々だったが、彼が今日も生きていると感じられる環境に身を置けるだけで充分だと思うことにした。
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