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    てっかめかぶ

    @2112yknkkiti

    主にぼぶげ、えろげ二次創作置き場です

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    てっかめかぶ

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    博玉
    現パロ

    ##博玉

    <玉森視点>
    少しずつ冬の足音がきこえはじめ、肌寒く感じる日々が増えてきた。
    寒くなれば自然と温かい部屋にこもることが増える。なにせ居心地が良い。
    ただ温度調節されるので、博士と休日出かけることが減るということはあまりない。
    次の休日もどこか行くことになるだろう。
    そこでふと、ほとんどが博士からの提案だったことに気が付く。
    どこどこにいきましょう。その次はあそこ。そのあとは有名店で食事をして……。
    と、博士がすでに計画立てていて、私はそれに身をまかせるばかりでいた。
    それは悪いことではない。博士が楽しそうであるのを見れば、私も安心するのだから。
    そう考えつつ、今までのことを思い返してみる。
    雨を降らせてほしいと言い二人でゆっくりと過ごすこともあったが、私から外出に誘うなんてことは……一度あったかどうかすら危ういな。
    苦い顔になりながら何か良い場所がないかと雑誌やらテレビやらネットやらを見るが、一人ではピンとくる場所がなかった。
    「うーむ」
    ソファに座り一人唸る。なんとなしに流していたテレビの音と重なる。
    「……?どうかしたんですか」
    「!」
    博士が帰宅していたようだ。……気付かなかった。
    「いえ…」
    テレビへと視線をうつす。流れていたのはイルミネーションの特集だった。
    「わぁ…綺麗ですね…!ブルーがた、玉森くんの瞳みたいで…!」
    チラチラとこちらを見てくる博士。
    「……」
    そうだ、これにしよう。
    さっきまではピンとこなかったが悪くないかもしれない、と博士の表情を見て思うのだから相当だ。
    「博士、この日空いてますよね?」
    カレンダーを指さす。
    「!、はい……も、もしかして玉森くん…!」
    「……見に行きませんか?」
    「はい!ではすぐにでも手配しましょう!」
    「待ってください。どこに行くかは私が決めます」
    「でも玉森くんのお手をわずらわせるのは…」
    「今回はなるべく私が決めますから、良いですね?」
    「はい……」
    頷く。博士は何か言いたそうだったが。

    行く前にはしっかりと準備をしなければ。的が絞れればそれなりに必要なことは見えてくる。
    いくつか比較して行先も決まった。
    何か他に必要なことはないだろうかと調べてみる。……と、そこである文章が目に止まった。
    ……いや、止まってしまったと言うべきか。
    行先は山にある。当然斜面がきついところもあるだろう。
    それに対するアドバイス……なのだが。
    手を、繋いだり。
    腕に、つかまったり。
    だとかそういうことばかり出てくる。
    「……」
    私は振り払うように電源を落とした。

    当日。目的地に着いた私たちはサクサクと道を歩いていた。
    様々な色のイルミネーションが目に入るのに、どこか意識は浮いていた。
    チラチラと横目で博士の様子をうかがう。
    転んだら危ないから、どこかしらつかまるのは全く問題ない…ない…。
    「って、うわっ!?」
    つまづいた。と、瞬間腕を掴まれひき寄せられる。
    「!!……危ないところでしたね……」
    「……っ」
    博士の手から伝わる熱に心拍が上がる。そのまま動けないでいる。
    「お怪我はありませんか…!?どこか痛めたりは…!」
    「……いえ、大丈夫です」
    体勢を整える。博士の腕を少し掴んだまま再び歩きはじめる。
    「!」
    「また転ぶのも嫌なので」
    博士の方は見ない。頬が熱い。そのまましばらく進むと青のイルミネーションが見えてきた。
    博士がわぁ、と少し前に出てその目に光をうつした。
    「玉森くん、きれいです!」
    こちらに振り返って言う。
    一面の青い光を背に笑う博士。それを見て、私は目を細めた。
    眩しさと笑みと。どちらもだったように思う。

    END
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    てっかめかぶ

    DONE博玉
    一人でお酒を飲もうとする博士と一緒に飲もうとする玉森くん
    <玉森視点>
    そろそろ博士が帰ってくる頃だろうかと、時計を確認した。
    玄関口の辺りを行ったり来たり。
    ……これが何度目の確認かはわからない。
    気付いた頃には数えるのをやめてしまっていた。
    一度連絡はあったのだ。
    今日は遅くなります、先にお休みくださいと。
    やや浮ついた声を思い出す。
    ただ今回は理由を聞くのを忘れてしまっていた。
    こうも遅いとなると……よからぬ事に巻き込まれてやしないだろうか。
    そう思い始めたとき、扉が開いた。
    「あっ玉森くん!」
    「!……博士、おかえりなさい」
    「はい、た、ただいま……戻りました」
    にこにことしながらこちらへ向かってくる。
    私もほっとしながら、ぱたぱたと足早に階段を下りる。
    なるべく今向かおうとしていたところだというふうに。
    「ん?」
    近くまで寄って違和感に立ち止まる。
    遠くからでは気付かなかったがこれは……酒の匂いだ。
    足取りもしっかりしているし、遠目では気付かなかった。
    「何してたんですか」
    わかっているが、あえてだ。
    「帰りにお酒を少し……」
    「……誰といったんですか」
    「今日は花澤くんと!連絡はしていたはずですが……」
    「それしか聞いてませんでし 1434

    てっかめかぶ

    DONE博玉
    ※悪玉森くん(捏造)が出てきます。
    <玉森視点>
    意識が起きる。瞼は重いが体はいつもより軽く感じる。
    布団の中でぐっと伸びをする。辺りを確認すれば、博士はいない。
    ベッドから出てさらに廊下に出る。朝食の香りが広がっていた。
    また博士一人に任せてしまったようだ。
    もしかしたらまだ間に合うかもしれないと香りに向かって足早に歩いて行く。
    進んでいくと扉のの隙間から博士の姿が見えた。もう準備は済ませてしまっているのだろうか。
    「博士私も何か手伝えること……ってえぇ!?」
    目の前に飛び込んできたのは大量のカルスピを積ませ、カルスピを飲みながら朝食をとる私と、カルスピを注ぐ嬉しそうな博士だった。
    「い、一体どういう……!?」
    我慢ならず勢いよく二人に駆け寄った。博士がにこにことしながらこちらに顔を向けてきた。
    何かを言っているように見えるし、何も言っていないようにも見える。
    これからお二人が僕の家に住むと思うと…!なんて嬉しそうに言っていたのかもしれない。
    ようやく”私”もこちらに意識を向ける。含んだように笑みを浮かべる。”私”のくせに。
    「……何をしていた」
    聞かなくてもわかることはある。あらかた博士を利用してカルスピ三昧だ。
    1866

    てっかめかぶ

    DONE博玉
    いろいろな博士
    コピー本交換会で出した内容と同じだと思います
    カラカラ、カラカラ。
    それは宝石か、それとも別の何かか。
    角度を変えれば映し出す世界も姿も変わっていく。
    カラカラ、カラカラ。
    二度と見えないものだろう。

    それは、画面がスライドしていくような、瞬きの瞬間に切り替わるような。
    背景は変わらず、博士の存在だけが切り取られたように変わっていくのだ。
    今日は一体誰だろうか。

    Day1
    あるとき博士は子供の姿だった。ぱちぱちと目を瞬かせる。
    この日が、初めての違和感の日であった。
    「玉森さん!今日は何して遊びましょうか?」
    そんないつも遊んでいるかのような物言いを。
    「んん…?」
    「ちゃんと宿題も終わっているのです。……だめですか?」
    混乱する私を見て不安がる博士。目を潤ませないでくれ。
    「い、いや!だめではないぞ!うん!」
    やはりこの博士の顔に弱い……。ぐっ……このとおり自覚はあるのだが……。
    仕方がないといったふうに、その小さな博士の手を取ってやる。
    そうすればきゅ、と握り返してくる。ほんのり温かさも感じる。
    「えへへ……」
    カワイイ。この日はもう遊ぶしかないだろうと。
    博士の発明の話などを聞きながら時間は過ぎていったのだった。
    ひとし 2321