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    てっかめかぶ

    @2112yknkkiti

    主にぼぶげ、えろげ二次創作置き場です

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    てっかめかぶ

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    博玉
    寒い季節
    手袋

    ##橋姫
    ##博玉

    <博士視点>
    暖かい空気の中、玉森くんはベッドの上をごろごろと行ったりきたり。
    僕は着替えながら、そんな玉森くんを横目で追います。
    「博士」
    「はい」
    「私は一体いつ頃からこうしているんでしょう……昨日もほぼベッドの上で過ごしていた気が」
    「冷え込みが本格的になった一周間前くらい、からでしょうか」
    「……」
    「ここ数日の寒さでは仕方ありませんよ」
    「……外の空気を吸ってきます」
    むくり、と起き上がり着替えはじめる玉森くん。
    目で追いそうになり、あっと目線をずらします。
    「どこかお出かけになられるのですか……?」
    「いえ、出ると言っても氷川邸の敷地内ですよ」
    「それなら僕も……!」
    「……わかりました、一緒に行きましょう」
    「もう少し温かい恰好の方が……」
    「すぐに戻りますし大丈夫でしょう」
    ぱたぱたと廊下を進んでいきます。
    そのままの勢いで扉を開け、外へ……。
    「さっ、さむ……っ」
    「だ、大丈夫ですか」
    冷たく澄んだ空気に、一気に包まれてしまいました。
    「屋敷の中が暖かいから完全に油断して……うぅ……」
    身を縮こまらせて震える玉森くん。
    僕はというと、いつも以上に防寒を意識した格好です。
    この手袋もその一つです。
    「玉森くん、もう戻りませんか……?」
    「い、今出たばかりでしょう…!意味がなくなってしまう!」
    「ですが……ではせめて僕の上着を……」
    「いいですから……あ、」
    と何かを思いついて言いました。
    「博士、少し手袋を貸してください」
    「?、わかりました」
    僕が手袋をはずそうとすると、
    「ああそうじゃなくて、……はずさなくていいです」
    はずさずに手袋を貸す?玉森くんは不思議なことをおっしゃいました。
    「そのままでいてください」
    玉森くんはそう言うと、きょろきょろとあたりと確認して。
    僕と、僕の手袋の隙間に指をすべり込ませてきたのです。
    「あっあの……」
    「はずしたら熱が逃げていてしまいますし。こうすればわざわざ博士が手袋をはずす必要もない」
    と少し得意げに玉森くんは言います。
    「いいい今からでも取りに戻った方が……!!」
    「わざわざそのために戻るなんて面倒です」
    もう片方の手も、ゆっくりと隙間を作り、直接僕の手に触れていきます。
    触れ合う面積が少しずつ、少しずつ、増えていって……。
    その感覚にくらくらとしてしまいます。
    「でも、あの、これは……その……」
    「?」
    玉森くんは指を進めます。ああこれは……!
    「た、玉森くんの指が……!僕の……中に……入ってきますっ」
    「!?変な言い方をするな!!」
    「ああっ!」
    勢いよく、これ以上は無理だというほどに奥まで入り込みました。
    「こ、こんなに勢いよくだなんて……」
    「い、一体何を考えて……あなたは黙って私に熱を渡してれば良いんです!」
    「はい……」
    僕の熱で、体温で、玉森くんを温められるでしょうか。
    いつもは僕の方が貰っているようであるのに。
    ああでも今は興奮してしまって、僕の方が余分に熱がありますから……。
    あがってしまった息を整えながら、少しだけ玉森くんの手をなぞります。
    どうか僕の熱が、玉森くんに伝わりますように。
    「暖まってきましたか?」
    少しだけ不安になって、玉森くんにききます。
    「そうみたいです」
    先ほどまで冷たく、鈍い動きをしていた指がすす、と動きます。
    「……そういえばすぐに戻る、と……。結構な時間が経ってしまいましたね」
    「なんのことです?」
    「出るときにそう玉森くんがおっしゃったんですよ」
    「!」
    「そ、そうでしたっけ?」
    「はい」
    あー……、と気まずそうな玉森くん。

    目的がない、とも言えます。
    けれど僕はそんな時間を過ごせることに嬉しさを感じてしまうのでした。
    END
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    てっかめかぶ

    DONE博玉
    ※悪玉森くん(捏造)が出てきます。
    <玉森視点>
    意識が起きる。瞼は重いが体はいつもより軽く感じる。
    布団の中でぐっと伸びをする。辺りを確認すれば、博士はいない。
    ベッドから出てさらに廊下に出る。朝食の香りが広がっていた。
    また博士一人に任せてしまったようだ。
    もしかしたらまだ間に合うかもしれないと香りに向かって足早に歩いて行く。
    進んでいくと扉のの隙間から博士の姿が見えた。もう準備は済ませてしまっているのだろうか。
    「博士私も何か手伝えること……ってえぇ!?」
    目の前に飛び込んできたのは大量のカルスピを積ませ、カルスピを飲みながら朝食をとる私と、カルスピを注ぐ嬉しそうな博士だった。
    「い、一体どういう……!?」
    我慢ならず勢いよく二人に駆け寄った。博士がにこにことしながらこちらに顔を向けてきた。
    何かを言っているように見えるし、何も言っていないようにも見える。
    これからお二人が僕の家に住むと思うと…!なんて嬉しそうに言っていたのかもしれない。
    ようやく”私”もこちらに意識を向ける。含んだように笑みを浮かべる。”私”のくせに。
    「……何をしていた」
    聞かなくてもわかることはある。あらかた博士を利用してカルスピ三昧だ。
    1866

    てっかめかぶ

    DONE博玉
    いろいろな博士
    コピー本交換会で出した内容と同じだと思います
    カラカラ、カラカラ。
    それは宝石か、それとも別の何かか。
    角度を変えれば映し出す世界も姿も変わっていく。
    カラカラ、カラカラ。
    二度と見えないものだろう。

    それは、画面がスライドしていくような、瞬きの瞬間に切り替わるような。
    背景は変わらず、博士の存在だけが切り取られたように変わっていくのだ。
    今日は一体誰だろうか。

    Day1
    あるとき博士は子供の姿だった。ぱちぱちと目を瞬かせる。
    この日が、初めての違和感の日であった。
    「玉森さん!今日は何して遊びましょうか?」
    そんないつも遊んでいるかのような物言いを。
    「んん…?」
    「ちゃんと宿題も終わっているのです。……だめですか?」
    混乱する私を見て不安がる博士。目を潤ませないでくれ。
    「い、いや!だめではないぞ!うん!」
    やはりこの博士の顔に弱い……。ぐっ……このとおり自覚はあるのだが……。
    仕方がないといったふうに、その小さな博士の手を取ってやる。
    そうすればきゅ、と握り返してくる。ほんのり温かさも感じる。
    「えへへ……」
    カワイイ。この日はもう遊ぶしかないだろうと。
    博士の発明の話などを聞きながら時間は過ぎていったのだった。
    ひとし 2321