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    てっかめかぶ

    @2112yknkkiti

    主にぼぶげ、えろげ二次創作置き場です

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    てっかめかぶ

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    博玉
    一人でお酒を飲もうとする博士と一緒に飲もうとする玉森くん

    ##博玉
    ##橋姫

    <玉森視点>
    そろそろ博士が帰ってくる頃だろうかと、時計を確認した。
    玄関口の辺りを行ったり来たり。
    ……これが何度目の確認かはわからない。
    気付いた頃には数えるのをやめてしまっていた。
    一度連絡はあったのだ。
    今日は遅くなります、先にお休みくださいと。
    やや浮ついた声を思い出す。
    ただ今回は理由を聞くのを忘れてしまっていた。
    こうも遅いとなると……よからぬ事に巻き込まれてやしないだろうか。
    そう思い始めたとき、扉が開いた。
    「あっ玉森くん!」
    「!……博士、おかえりなさい」
    「はい、た、ただいま……戻りました」
    にこにことしながらこちらへ向かってくる。
    私もほっとしながら、ぱたぱたと足早に階段を下りる。
    なるべく今向かおうとしていたところだというふうに。
    「ん?」
    近くまで寄って違和感に立ち止まる。
    遠くからでは気付かなかったがこれは……酒の匂いだ。
    足取りもしっかりしているし、遠目では気付かなかった。
    「何してたんですか」
    わかっているが、あえてだ。
    「帰りにお酒を少し……」
    「……誰といったんですか」
    「今日は花澤くんと!連絡はしていたはずですが……」
    「それしか聞いてませんでしたから……花澤となら、私も誘ってくれればよかったのに」
    「えっと……その、それは……」
    口ごもる博士。
    花澤と酒の席を共にするなど以前にもあった。
    何が気にかかっているのだろう。
    「……そういえば博士、最近あまり家で飲んでいませんでしたね。下戸の私に気を使ってるんですか?」
    以前は博士が飲んでいるのを私が水を片手に眺めていることもあったが、そういったことが減った。
    かわりに一人でこっそりと飲んでいたり、外で飲んだりすることが増えていったのだ。
    「いいえいいえ!っいやあの……それもありますが……」
    「なら私も飲みます」
    「」
    「……博士が飲んでいるものにも興味がありますし」
    博士が息を飲む。
    「で、でも、玉森くんは脱ぎ上戸でもありますから……!」
    そうだったか?と一瞬止まりそうになるが、今更服を脱いだからといって何か変わることもない。
    ……裸を見せる以上のことはとうに済ませているのだし。
    「私が酔ってしまってもそばには博士しかいないでしょう。今更恥ずかしがるようなことでもありませんし」
    「……玉森くん、お顔が真っ赤です」
    「……」
    口をとがらせて息を吸う。
    「今から飲みます」
    「今からですか……」
    博士はいつ飲んだところで問題ないだろうに、何を慌てているのだろうか。
    まだ何かを言っている博士を背に、私は酒の用意を始めた。

    酒を口に含んでからどれくらい経っただろうか。
    それほど時間は経っていないのだろうか。
    意識はふわふわとするし、うまく体に力が入らない。
    身体が傾いたが何かが支えとなって、私は横に倒れることはなかった。
    少しだけ視線を巡らせは、博士の顔があった。
    「もう酔ってしまわれたのですね……」
    だとか。
    「ですがこのまま眠ってしまっては……風邪を、ひいて、しまいます……」
    だとか言っていたような気がする。
    耳で受け止めたはずの音がぼんやりとして、すり抜けていってしまうものだからよくわからない。
    わからないけれど、博士の表情に気を良くして
    「はかせ」
    これでまた共に過ごす時間が増えるはず。
    博士に体重を預けて、その胸に顔を埋めた。
    酒の香りで満たされる。
    これも博士の香りの一つだ。
    そして今、私も同様になっていた。

    END
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    てっかめかぶ

    DONE博玉
    いろいろな博士
    コピー本交換会で出した内容と同じだと思います
    カラカラ、カラカラ。
    それは宝石か、それとも別の何かか。
    角度を変えれば映し出す世界も姿も変わっていく。
    カラカラ、カラカラ。
    二度と見えないものだろう。

    それは、画面がスライドしていくような、瞬きの瞬間に切り替わるような。
    背景は変わらず、博士の存在だけが切り取られたように変わっていくのだ。
    今日は一体誰だろうか。

    Day1
    あるとき博士は子供の姿だった。ぱちぱちと目を瞬かせる。
    この日が、初めての違和感の日であった。
    「玉森さん!今日は何して遊びましょうか?」
    そんないつも遊んでいるかのような物言いを。
    「んん…?」
    「ちゃんと宿題も終わっているのです。……だめですか?」
    混乱する私を見て不安がる博士。目を潤ませないでくれ。
    「い、いや!だめではないぞ!うん!」
    やはりこの博士の顔に弱い……。ぐっ……このとおり自覚はあるのだが……。
    仕方がないといったふうに、その小さな博士の手を取ってやる。
    そうすればきゅ、と握り返してくる。ほんのり温かさも感じる。
    「えへへ……」
    カワイイ。この日はもう遊ぶしかないだろうと。
    博士の発明の話などを聞きながら時間は過ぎていったのだった。
    ひとし 2321