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    てっかめかぶ

    @2112yknkkiti

    主にぼぶげ、えろげ二次創作置き場です

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    てっかめかぶ

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    博玉
    フレグランスネタ

    ##博玉
    ##橋姫

    <玉森視点>
    今日は一日外に出ていたから外の空気が纏わりついていた。
    それはタバコの煙であったり、古びた紙のにおいであったりだ。
    風呂はそういうものも洗い流してくれる。
    いつも通りゆったりと湯船につかると、疲れも洗い流してくれるようだ。
    いろいろなものを流しきって湯船を後にし柔らかいタオルで体をふき、洗濯されてしわも無い服に袖を通す。
    博士の発明した洗濯機によって洗われた服は洗剤の香りがする。
    ここで一つ博士の香りの一部を纏うのだ。
    寝室に戻りあとはもう眠るだけ。
    ぼすん、とベッドに顔を埋める。ひとしきり転がる。
    そうしてしまえば博士の香りで上書きされるのだ。
    こうして博士と共に過ごすようになってからはこの香りを纏うのが、心地いい、のかもしれない。
    好き、だとか落ち着く、だとかいう言葉でも良いかもしれない。
    「……?」
    すんすんと香りをかぐ。おかしい。どうも違う。これは……
    「博士の香りじゃない……?」
    ばっと体を反射的に起こしてしまった。

    ***

    ばたばたと氷川邸を走り回り、見つけた後姿に声をかけた。
    遠目でもかをしているのが見てとれた。あれはカーテン、あれは椅子。いたるところに何かをふきつけている。
    考えたくはないがあれは……。
    「何してるんですか」
    何やら鼻歌までうたって機嫌が良さそうな博士に後ろから声をかけた。
    「あっ玉森くん!」
    丁度良かった!と言わんばかりの笑顔だ。私の気も知らないで。
    こちらに顔を向けたタイミングで手元からシュ、と音がする。
    「香水をふきつけているのです。ちなみにこれは玉森くんの香りに近いもので……」
    「そういうことを聞いているのではないです」
    「と言いますと……?」
    「なぜ、香水をいたるところにかけているんです……」
    それも私の香に近いものとかいうではないか。
    「玉森くんの香りで部屋を満たそうと思ったのです。そうしたら玉森くんに包まれているような気がして……」
    「どうしてそうなる!?」
    「氷川邸が私の香りになってしまったら私はどうなるんですか……」
    「玉森くんに何か影響があるのでしょうか……?」
    「私が困るんですよ……」
    「困る、んですか……?」
    博士は全く何も見当がつかないという風で頭をかしげている。
    「玉森くんを困らせたくありません……」
    静かに博士が落ち込みだしてしまった。
    「私は、私の香りに包まれたいとは思いません」
    「はい……」
    「……ですから……」
    言いたくはないが、言わなければいけない気がした。
    「……あなたの香りも残しておいてください」
    そう言って、その場を立ち去ろうとして、
    「た、玉森くん……!これで、どう、でしょうか……?」
    ぎゅうと、私は博士の香りに包まれていた。
    END
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    てっかめかぶ

    DONE博玉
    ※悪玉森くん(捏造)が出てきます。
    <玉森視点>
    意識が起きる。瞼は重いが体はいつもより軽く感じる。
    布団の中でぐっと伸びをする。辺りを確認すれば、博士はいない。
    ベッドから出てさらに廊下に出る。朝食の香りが広がっていた。
    また博士一人に任せてしまったようだ。
    もしかしたらまだ間に合うかもしれないと香りに向かって足早に歩いて行く。
    進んでいくと扉のの隙間から博士の姿が見えた。もう準備は済ませてしまっているのだろうか。
    「博士私も何か手伝えること……ってえぇ!?」
    目の前に飛び込んできたのは大量のカルスピを積ませ、カルスピを飲みながら朝食をとる私と、カルスピを注ぐ嬉しそうな博士だった。
    「い、一体どういう……!?」
    我慢ならず勢いよく二人に駆け寄った。博士がにこにことしながらこちらに顔を向けてきた。
    何かを言っているように見えるし、何も言っていないようにも見える。
    これからお二人が僕の家に住むと思うと…!なんて嬉しそうに言っていたのかもしれない。
    ようやく”私”もこちらに意識を向ける。含んだように笑みを浮かべる。”私”のくせに。
    「……何をしていた」
    聞かなくてもわかることはある。あらかた博士を利用してカルスピ三昧だ。
    1866