執着ですか、恋ですか硝煙の匂いが充満する、吸血鬼退治人御用たちの射撃訓練場。
全弾ド真ん中に的中。
ロナルドは安堵のため息をつく。
この世に絶対は無いからこそ、日々の訓練1つ1つが大切だ。
今日のところはこれでいいか。
そう思い、その場を後にしようとした。
「お、お前もおったんか」
ロナルドと似たような衣装を身に付け、頭1つ分ほど小さい男。
だけど絶対に越えられない相手。
「……兄貴とここで会うなんて珍しいな」
「来てすぐ帰っとるからな」
「え?」
ヒヨシは銃を構え、的を狙う。
1発がロナルドと同じようにド真ん中に的中する。
だがロナルドと違うのは、たった1発でその場を後にしようとしたことだ。
「じゃあ、お前もあまりムチャするなよ」
「……兄貴、あれだけ?」
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