シモヨレ/土星に願うは氷の中私は貴方が窮地を救ってくれたから今がある。そうでなければ、こうして友が残した本を求めて死に物狂いで生きてはいないだろう。あの日から二十五年経過しても何故か共に時間を共有している私達の絆は何と呼べるのか。友情、共犯者、異端者のいずれかに値するか?多分、友情以上のものは存在していないかもしれないが男性が抱く感情の中には、もしかしたら異性に対する何とかってものが含まれているかもしれない。しかしこの年齢になっても彼から嫌悪するアクションや発言をされた事がない。簡潔に言えば私をその様な対象として見ていないのか、見てはならないのかの二択だろう。こちらとしても同じだと断言出来る。どの様な関係であろうとも共有時間は尊く儚い。現実は残酷で時に耽美で人生は有限で。
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